マーシャル・ウスチノフ (ミサイル巡洋艦)

マーシャル・ウスチノフ

「マーシャル・ウスチノフ」（ロシア語: «Маршал Устинов»）は、ソ連海軍のために建造されたミサイル巡洋艦です。この艦は、スラヴァ級ミサイル巡洋艦の2番艦であり、1970年代に建造されました。

艦歴

艦の建造番号は2009で、1977年9月17日に艦籍に編入されました。この艦は、ソ連共産党中央委員会のメンバーであったセミョーン・ロボフにちなんで「アドミラル・フロタ・ロボフ」（«Адмирал флота Лобов»）という名前で1978年10月5日に起工されました。進水は1982年2月25日で、1986年9月15日に竣工し、その5日後には軍艦旗が掲揚されました。その後、北方艦隊第43師団第120ミサイル艦旅団に配属され、同日の5日付で名を「マーシャル・ウスチノフ」に変更されました。この名前は1970年代後半にソ連国防大臣を務めたドミトリー・ウスチノフ元帥に敬意を表して名付けられたものです。

艦の初期の任務には、1987年3月にセヴェロモルスク海軍基地に配備された後、地中海での作戦が含まれています。1987年12月から1988年6月まで行われた作戦では、シリアを訪問しました。また、1989年4月にはソ連海軍総司令官とフランス国防大臣の視察を受けました。

この艦は、その後も多くの国々を訪れました。1991年7月にはアメリカのメイポート海軍補給基地、さらに1993年6月から7月にはカナダを訪れて共同訓練を行い、同月にはボストンにも立ち寄りました。1994年から1997年にかけてはサンクトペテルブルクの造船所で中修理を行い、ガスタービンを2基交換しました。その後、北洋艦隊のセヴェロモルスク海軍基地に回航され、艦隊の第7作戦艦隊に編入されました。

1998年5月にはノルウェー国王ハーラル5世の視察を受け、同年8月にはロシア連邦大統領が演習を視察しました。2002年にはバレンツ海での北洋艦隊の大規模演習に参加し、2003年にはロシアとポーランドの大統領が本艦から演習を視察しました。また、2004年には北洋艦隊の空母機動部隊とともに作戦を行い、米露共同訓練にも参加しました。

艦は2006年と2007年にもバレンツ海での大規模演習に参加し、2008年にも演習に参加しました。2013年からは近代化改修が始まり、当初は2015年末を予定していましたが、2015年9月に新しいミサイルを装備するために引き渡しが2016年に延期されることが発表されました。

最近では、2019年11月24日に中国海軍の江凱型フリゲート「濰坊」と南アフリカ海軍のヴァラー級フリゲート「アマトラ」との演習を行いました。これにより、マーシャル・ウスチノフは国際的な海軍連携の一端を担う艦艇としての役割を果たし続けています。

このように、「マーシャル・ウスチノフ」はその歴史を通じて、様々な国々との関係を深め、重要な任務を遂行する艦艇としての存在感を示してきました。

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