ヴァラー級フリゲート

ヴァラー級フリゲート

ヴァラー級フリゲート（Valour class frigate）は、南アフリカ共和国海軍が運用する艦船の一級で、特にその設計と性能から注目されています。この艦級は、ドイツのブローム・ウント・フォス社が手がけたMEKO A-200型[[フリゲート|MEKO_A-200型フリゲート]]をベースにしたもので、MEKO A-200 SAN型とも呼ばれています。艦船の形状は長船首楼型を採用しており、レーダーの反射を抑える工夫が施されています。具体的には、Xフレームと呼ばれる設計が採用されており、艦尾からの排気により赤外線シグネチャーも低減されています。

このようなデザインにより、艦船は敵の探知を逃れやすく、全方位でのステルス性が向上しています。さらに、バルバス・バウの構造は水中放射雑音を低減する効果もあり、静かに潜行することが可能です。ただし、2010年にはネームシップにおいてセンサーの誤作動が発生し、排気系から海水が侵入する事故がありました。これにより、機関部が損傷を受けた事例もあります。

エンジンと推進方式

ヴァラー級の主機方式にはCODAG-WARP（WAter jet and Refined Propellers）が採用されています。この方式は、巡航時には二つのディーゼルエンジンがスクリュープロペラを駆動し、高速時にはガスタービンエンジンによってウォータージェット推進を追加入するという特長があります。スクリュープロペラは可変ピッチタイプで、負荷に応じてエンジンの回転数と翼角を自動制御します。

発電機はMTUフリードリヒスハーフェン製のディーゼルエンジンを活用し、550キロワットの出力を持つものが4セット搭載されています。

装備と性能

装備面では、主にタレス・グループの製品が多く使用されています。戦術情報処理装置としてはTAVITAC-NTが導入されており、主なセンサーにはCバンド3次元[[レーダー]]のMRR-3D NGが艦の前檣に設置されています。また、ソナーにはキングクリップが艦首直後のハル・ドームに搭載されています。

防空能力としては、南アフリカ製のウムコントが搭載されており、艦橋直前には8セルのVLSを4基設置しています。火器管制レーダーもデネル社製のRTS-6400が艦橋と後部にそれぞれ1基ずつ装備されています。艦対艦ミサイルには、エグゾセMM40 ブロックIIが採用され、これを4連装発射筒2基に収納しています。

艦砲としてはオート・メラーラ社製76mmコンパット砲が搭載されている他、後部にはデネルDPG 35mm連装機銃も装備されています。

航空機搭載能力

航空機の搭載に関しては、アトラス オリックスまたはアグスタウェストランド リンクスの機体を収容でき、最大でスーパー・リンクス1機まで搭載可能です。

建造と運用

ヴァラー級フリゲートは、1999年に4隻の建造契約が結ばれ、2006年から2007年にかけて順次就役しました。ブローム・ウント・フォス社ハンブルク造船所で二隻、ホヴァルツヴェルケ＝ドイツ造船社キール造船所で二隻が建造されています。これらの艦船は、南アフリカ海軍において重要な役割を果たしており、その先進的な設計と性能から、高い評価を受けています。

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