ミック・ジョーンズ (ザ・クラッシュ)

ミック・ジョーンズ：パンクの精神を体現するギタリスト

ミック・ジョーンズ（Michael Geoffrey Jones、1955年6月26日 - ）は、イギリス・ロンドン出身のミュージシャンであり、元ザ・クラッシュのギタリストとして広く知られています。彼の音楽キャリアは、パンク・ロックの隆盛とともに始まり、その後も様々な音楽スタイルを追求し続けています。

生い立ちと初期の活動

ロンドン自治区のワンズワースで、ウェールズ出身の父とロシア系ユダヤ人の母の間に生まれたミック・ジョーンズは、幼少期を母方の祖母ステラと過ごしました。ストランド・スクールを経て美術学校に進学したのは、「バンドに入るため」だったと言います。1970年代前半には、自ら結成したグラム・ロック・バンド、ザ・デリンクェンツでギタリストとしてのキャリアをスタートさせ、その後、トニー・ジェイムスとの出会いを経て、プロト・パンク・バンド、ロンドンSSを結成します。しかし、バンドは1976年に解散し、ジョーンズは新たな音楽の道を模索し始めます。

ザ・クラッシュでの成功と挫折

21歳の時、ジョーンズはポール・シムノンと共に、バーニー・ローズの紹介でジョー・ストラマーと出会い、ザ・クラッシュを結成します。カムデンの廃倉庫で練習を重ねたバンドは、瞬く間にパンク・ロックシーンの中心的グループへと成長しました。ジョーンズはリード・ギターを担当し、「トレイン・イン・ヴェイン」や「ステイ・オア・ゴー」など、数々の楽曲でリード・ボーカルも務めました。また、彼はバンドの楽曲制作においても重要な役割を果たしました。しかし、1983年8月、ジョーンズはストラマーとシムノンから一方的に解雇を告げられます。解雇の理由は、彼の時間にルーズな性格や、音楽的な知識や進取の気性に富んだジョーンズと他のメンバーとの間に生じた摩擦などが挙げられています。2003年には、ザ・クラッシュとしてロックの殿堂入りを果たしました。

ビッグ・オーディオ・ダイナマイトとその後

クラッシュ解雇後、ジョーンズはジェネラル・パブリックの創立メンバーとして短期間活動した後、1984年に映画監督ドン・レッツと共にビッグ・オーディオ・ダイナマイト（B.A.D.）を結成します。B.A.D.は、デビュー・アルバム『ディス・イズ・ビッグ・オーディオ・ダイナマイト』で、ダンス・クラブを中心に人気を博しました。その後も、ジョーンズはB.A.D.のメンバーを入れ替えながら、ビッグ・オーディオ・ダイナマイトII、ビッグ・オーディオと名を変えてバンド活動を継続しました。1991年には、アズテック・カメラの「グッド・モーニング・ブリテン」にゲスト参加するなど、幅広い活動を展開しました。

2002年には、ロンドンSS時代の盟友、トニー・ジェイムスとカーボン/シリコン|カーボン_シリコンを結成し、反ファシストのチャリティーコンサートを行うなど、社会的なメッセージを発信し続けました。また、ザ・リバティーンズやベイビーシャンブルズのアルバムをプロデュースするなど、後進の育成にも力を注いでいます。

近年の活動と音楽への情熱

近年では、ゴリラズのアルバム『plastic beach』にゲスト参加するなど、様々なアーティストとのコラボレーションも積極的に行っています。ミック・ジョーンズは、常に新しい音楽の可能性を追求し、パンク・ロックの精神を体現するミュージシャンとして、今もなお世界中の音楽ファンに影響を与え続けています。

使用機材

ミック・ジョーンズは、様々なギターやエフェクターを使いこなすことでも知られています。初期にはジョニー・サンダースから譲り受けたギブソン・レスポール・ジュニアを愛用していましたが、後にレスポール・スタンダードやレスポール・カスタム、フェンダー・ストラトキャスターなども使用するようになりました。また、ローランドのコーラスやスペースエコー、MXRのコンパクトエフェクターなども多用しています。

参考文献

Carbon/Silicon 公式サイト
Carbon/Silicon - Myspace
onemickjones.com
Revolution Rock

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