ミッデイ

ミッデイ：競走界の女王、その軌跡

ミッデイ (Midday, 2006年3月21日生まれ) は、イギリスの競走馬界にその名を刻んだ伝説的名牝です。その華麗なる競走生活は、数々の栄光に彩られています。父は2003年のジュライカップとナンソープステークスを制覇し、カルティエ賞最優秀スプリンターに輝いた名馬オアシスドリーム。母ミッドサマーもイギリスで勝利を収めた実績を持つ良血馬です。両馬とも、ハーリド・ビン・アブドゥッラー殿下が生産・所有していました。

ミッデイのキャリアは、2008年から本格的に幕を開けます。当初は7～8ハロンの短距離戦で活躍しましたが、大きな飛躍を遂げたのは10ハロン以上の長距離戦への転向後です。オークストライアルステークスでは6馬身差という圧勝劇でクラシック戦線への期待感を高めましたが、オークスではサリスカに惜しくもアタマ差の2着、アイリッシュオークスでも3着に終わりました。

しかし、ミッデイはここで諦めませんでした。10ハロン路線に照準を定め、ナッソーステークスで2008年2歳チャンピオンのレインボーヴューを2馬身突き放し、G1競走初制覇を達成します。続くオペラ賞では敗れましたが、その後アメリカ遠征に挑み、ブリーダーズカップ・フィリー＆メアターフを制し、世界的な舞台で実力を証明しました。

4歳となった2010年は、ミドルトンステークスでサリスカの2着とやや苦戦しましたが、ナッソーステークスで連覇を達成。ヨークシャーオークス、ヴェルメイユ賞とG1競走を連勝し、勢いは止まらないように見えました。しかし、ブリーダーズカップ・フィリー＆メアターフでは2着に敗れ、無敗の女王への道は閉ざされました。

5歳となった2011年、ミッデイはミドルトンステークスで勝利を収め、ナッソーステークスで3連覇を達成。G1競走6勝目を挙げ、名実ともに最強牝馬の称号を手にしました。その後もインターナショナルステークスで2着に入るなど、高い競争力を維持しましたが、チャンピオンステークスでは4着、ブリーダーズカップ・ターフでは6着と、年齢を感じさせる結果となりました。そして、2011年のブリーダーズカップ・ターフを最後に、輝かしい競走生活に幕を閉じました。

ミッデイは、ナッソーステークスを3連覇するなど、その卓越した能力でG1競走6勝という偉大な記録を残しました。その強さと優雅さを兼ね備えた走りは、多くのファンを魅了し、競走馬界の歴史に大きな足跡を残しました。引退後は繁殖牝馬となり、その血統は現在も競走馬界に受け継がれています。彼女の曾祖母Mofidaの曾孫には、2009年スプリントカップを制したRegal Paradeもいます。 ミッデイの競走成績と血統表は、netkeiba、JBISサーチ、Racing Postなどのサイトで確認できます。

ミッデイの物語は、競走馬としての才能、そして、競争の激しさ、勝利の喜び、そして敗北の悔しさ、すべてを乗り越えてきた一頭の競走馬の生涯を描いた、感動的な物語です。彼女の勇姿は、多くの人の記憶に刻まれたまま、今も語り継がれています。

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