ミナミオロシザメ

ミナミオロシザメの概要

ミナミオロシザメ（Oxynotus bruniensis）は、オロシザメ科に分類されるサメの一種で、主にオーストラリアとニュージーランドの温帯水域に生息しています。このサメは最大75センチメートルまで成長し、体色は茶色から灰色までの範囲を持ち、独特の太い体型と目立つ大きなこぶが特徴です。また、皮膚はとてもざらざらしています。

生息環境と行動

ミナミオロシザメは、大陸棚の外縁や大陸斜面の海底近くに見られ、主に深度350メートルから650メートルの範囲で分布していますが、最大で1,067メートルの深さでも報告されています。彼らはゆっくりとした動きで小型の底生生物を捕食していると考えられており、無胎盤性胎生の繁殖方法を取ります。産仔数は通常7匹ほどです。

分類の歴史

この種は、オーストラリアの魚類学者James Douglas Ogilbyによって1893年に初めて記載されました。タスマニア南東のブルニー島の砂浜で発見された個体を元に、彼はこのサメをCentrina bruniensisと名付けました。後に、Centrina属はOxynotus属のシノニムとして再分類されました。

分布地域

ミナミオロシザメは温帯地域における稀な種で、ニューサウスウェールズ州のCrowdy Headからタスマニア南部および西オーストラリア州のエスペランス付近まで広がっています。また、ニュージーランド沖のチャタム海膨やチャレンジャー海台、キャンベル海台でも確認されています。

特徴

ミナミオロシザメの体は非常に太く、背中の部分は盛り上がっており、見分けるのが容易です。頭部はやや平らで、口は真横に開きます。唇は厚く、歯には一定のパターンがあり、上顎には12から19の小さな歯、下顎には11から13の大きな歯が並んでいます。2つの大きな背鰭は互いに近接しており、第一背鰭はしっかりした肉質で構成されています。最大で91センチメートルまで成長することもあります。

生理と食性

この種は特に大きな肝臓を持っており、そこで貯える肝油により海底から浮きながらスムーズに泳ぐことができます。餌は非常に専門的で、主に全頭亜綱の卵を食べるとされています。捕獲された個体の研究により、成熟卵が7から8個含まれていることが確認されており、子宮内には最大7匹の胚が成長していることもあるそうです。

人間との関わり

ミナミオロシザメは底引き網漁で時に混獲されることがありますが、主に無視され廃棄されることが多いようです。混獲量は過去に比べて減少していると考えられていますが、国際自然保護連合 (IUCN) によると情報不足のため、正確な評価は難しいとされています。

このように、ミナミオロシザメは独特な形状を持つ魚であり、その生態や生息域についての理解はまだまだ発展途上です。

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