ミンスク・ワールド

ミンスク・ワールド

ミンスク・ワールド（明斯克航母世界）は、かつて中国広東省深圳市塩田区に存在したユニークな軍事テーマパークです。この施設の最大の特長は、1978年に進水したソビエトのキエフ級[[航空母艦]]「ミンスク」が博物館船として展示されていたことです。ミンスクはかつて冷戦期において、ソビエト連邦の海軍において重要な役割を果たしていました。

来歴

「ミンスク」は、全長274メートル、基準排水量43,000トンの中型艦艇であり、冷戦時代の後期にはソ連の太平洋艦隊の一員として活躍していました。主に対馬海峡を航行し、多くの日本におけるソ連への脅威を象徴する存在となりました。しかし、ソ連の経済的混乱と政治的不安定の影響を受け、1991年に退役を余儀なくされました。

退役後の「ミンスク」は、一時的にロシア沿海地方に係留されていましたが、1995年に韓国の企業に売却された後、1997年に中国の企業に530万ドルで購入されました。最初は航空母艦としての運用を見込まれていたものの、1999年に火災で全焼するなど、波乱の歴史をたどります。最終的に、深圳市でテーマパークとして利用されることになり、2000年に「ミンスク・ワールド」としてオープンしました。

当初は期待が寄せられましたが、運営は経済的な問題によって困難を極め、開館と閉館を繰り返しました。2005年には運営会社が倒産し、ミンスク・ワールドも破産しましたが、翌年には新たな投資家によって買収され、運営が続行されました。その後は、いくつかの所有者が変わり、最終的には2016年に閉園が決定しました。

「ミンスク」は二度目の閉園後、舟山市に移送され、新しい航空母艦展示公園での展示が予定されましたが、その計画は進展しませんでした。2020年には新たな開発計画が発表され、一時は期待が持たれていましたが、着手されることはありませんでした。

施設概要

ミンスク・ワールドでは、洋風のチケット売り場があり、野砲や戦闘機などの展示物が広場に立ち並んでいました。艦船「ミンスク」自体は、格納庫に売店が設けられ、艦体はほぼ無改装で展示されていました。艦体のタラップは、桟橋との出入り口になっており、展示されているAK-725連装砲や各種ミサイル、RBU-6000といった兵器がそのままの形で見られました。

航空甲板には、ソ連製のMiG-21の中国版であるJ-7戦闘機や、中国製のQ-5攻撃機、さらにはMi-8ヘリコプターやMi-24攻撃ヘリが展示されていました。艦内にはMiG-23BN戦闘爆撃機が展示され、ショーを行うためのステージまで設けられるなど、様々なエンターテインメント要素も取り入れられていました。

アクセス

ミンスク・ワールドは、深圳市東部、大鵬湾に面した場所に位置していました。交通アクセスは主にタクシーやバスによるもので、中心部からはやや離れた立地でした。訪れるには少々不便さがあったものの、独特の体験ができる場所として、多くの訪問客に親しまれていました。

ミンスク・ワールドは、軍事に興味がある人々やナイフの歴史を体感したい人々にとって興味深いスポットでしたが、経営問題から閉園に至ったことは非常に残念な出来事でした。現在でも、「ミンスク」の艦体は、新たな展示計画に向けて動き続けているとされており、今後の行方が注目されています。

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