ミンミ

ミンミ（Minmi）

ミンミは、約1億2000万年前から1億1200万年前の前期[[白亜紀]]に、現在のオーストラリアに生息していた小型の曲竜類です。属名は、発見地付近の「ミンミ交差点」に由来しますが、その地名の由来は定かではありません。

発見と種

1964年、クイーンズランド州のミンミ交差点付近で、研究者アラン・バーソロマイが曲竜類の骨格を含む化石を発見しました。この化石は、1980年にラルフ・モルナーによってミンミ・パラベルテブラ（Minmi paravertebra）として命名されました。種小名の「paravertebra」は、椎骨に沿って見つかった特異な骨要素に由来します。

ホロタイプ標本 QM F10329 は、バンギル層の地層から発見されました。この標本は、頭蓋骨を除いた部分的な骨格で構成されており、背椎、肋骨、右後肢、腹部の皮骨板などが保存されています。ミンミは、南半球で発見された装盾類の最初の標本として重要な意味を持ちます。

1989年には、より完全な骨格標本 QM F1801 が発見されました。この標本は当初 Minmi sp. とされていましたが、後の研究で別の属であるクンバラサウルスとして命名されました。この標本は、ミンミに関する情報源で頻繁に引用されていましたが、再分類により、その情報はクンバラサウルスに関するものとして扱われるようになりました。

形態

ミンミは小型の草食性恐竜で、全長は約3メートル、体重は約300キログラムと推定されています。曲竜類としては手足が比較的長く、これは捕食者から逃れる際に茂みに素早く隠れるために役立ったと考えられています。

他の曲竜類とは異なり、ミンミは椎骨の側面に沿って板状の骨（paravertebra）が並んでいました。この構造については、骨化した腱であるという説や、ワニの病的な腱膜に似ているという説など、様々な解釈が提唱されてきました。近年では、この構造がミンミ固有の特徴ではない可能性も指摘されています。

系統発生

ミンミの系統的位置づけは、長年にわたって議論されてきました。当初は曲竜類に分類され、後にノドサウルス科に位置づけられたこともありました。近年では、最も基部的なアンキロサウルス科であるという説や、剣竜類と曲竜類の間の寛脚類であるという説も提唱されています。2024年の系統解析では、分類学上の科における不明な曲竜類であるとされています。

ミンミの系統的位置は依然として議論の余地があり、今後の研究によってさらに詳細な分類が明らかになることが期待されます。

古生物学と食性

ミンミは、低い位置の植物を食べるブラウザーや、草木の芽や葉を食べるグレイザーであったと考えられています。食性は、種子、果物、被子植物、シダ類などの多様な植物で構成されていたと推測されています。化石の分析から、ミンミが生息していた環境には様々な植物が生い茂っており、それらを食料としていたことが示唆されています。

まとめ

ミンミは、オーストラリアで発見された初期の装盾類であり、その特異な骨格構造や系統的位置づけは、研究者たちの間で長年にわたって議論の対象となってきました。新たな発見や分析によって、ミンミに関する理解は深まりつつありますが、未だ多くの謎が残されています。今後の研究によって、ミンミの生態や進化の過程がさらに明らかになることが期待されます。

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