ムイスカ人

ムイスカ人（チブチャ人）

ムイスカ人、またはチブチャ人は、現在のコロンビアの首都ボゴタ周辺に居住していた先住民族です。2005年の国勢調査では14,051人ほどが確認されています。彼らは独自の文化や言語を持ち、その歴史は深く、興味深いものです。

言語

現在、ムイスカ人はスペイン語を話しますが、かつてはチブチャ語を話していました。しかし、18世紀には死語となり、現在では地名などにその影響が残るのみとなっています。

文字

ムイスカ人はムイスカ数字を使い、独自の暦を使用していました。

文化

スポーツ

ムイスカ人は、儀式の一部として特定のスポーツを行っていました。現在でもコロンビアの国技であるペタンクに似た「テホ」という競技は、コロンビア国内で人気があり、テホの銅像や広告など、至る所で見かけることができます。

芸術

ムイスカ人の芸術として有名なのは、高度な技術によって作られた金細工です。これらの黄金製品の多くは、ボゴタの黄金博物館などで見ることができ、アマゾンの奥地に黄金郷が存在するというエル・ドラード伝説の起源となりました。

料理

ムイスカ料理では、モルモット、キヌア、トウモロコシなどの食材が使用されました。特にトウモロコシは重要な食材であり、トウモロコシを表す単語が多数存在します。彼らは地面に座り、葉の上に置かれた料理を手で食べていました。アルコール飲料としては、チチャがあります。

建築

インカ帝国やマヤ文明とは異なり、ムイスカ人は石造りの建築物ではなく、粘土や木材で家や寺院を建設しました。

ミイラ

ムイスカ人はミイラを作る文化を持っていました。火と煙で乾燥させ、加工した後、エメラルドを口に入れ、布で包みました。儀式の間、彼らは歌を歌い、チチャを飲みました。来世を信じるムイスカ人は、豆やトウモロコシ、黄金製品を一緒に埋葬しました。

音楽

ムイスカ音楽は宗教的な意味合いを持ち、オカリナや太鼓が使用されました。スペイン人には、悲しく単調な音楽と記録されています。踊りは男女混合で行われました。

歴史

先史時代からエレーラ期

エル・アブラ遺跡からは、先史時代からエレーラ期の遺跡が発見されています。この遺跡は砂岩でできた狩猟採取文化の遺跡であり、ペトログリフが発見されています。

ムイスカ連邦

1450年から1540年頃まで、この地域はムイスカ連邦が統治していました。この連合に絶対的な君主は存在せず、ムイスカの伝統宗教を信仰していました。現在のトゥンハとボゴタを首都とした緩やかな連合は、スペイン人によって滅ぼされ、流行病によってムイスカ人は減少しました。

宗教

ムイスカ人はカトリックとムイスカ人の伝統宗教を信仰しています。ムイスカの支配者は、政治的な支配者でありながら、宗教指導者でもありました。コカやタバコなどが儀式に使用され、砕いた種子を吸い込むための装飾された金色のプレートなどの道具が用いられました。人身御供は珍しいことではありませんでした。

神々

チミニガグア: 光と地球を創造した神。
チア: 月の女神で、生殖能力を司る。
スア: 日の神で、チアの夫。
バチュエ: 母の女神で、イグアケ湖から現れた、全てのムイスカの祖先。
ボチカ: チミニガグアの使者であり、ムイスカの神聖な教師。
ウイタカ: 欲望、幸福、喜びの女神。チアの娘であり、ボチカの罰のため、白いフクロウに変えられた。
チブチャクム: 雨、雷、地震の神で、一般的に商人や労働者を保護する。
クフザフィバ: 虹と医薬の神。ボチカがテケンダマ滝を作成した時に生まれ、病人や妊婦を保護する。
チャケン: スポーツ、限界、不妊の神。テホの生みの親であり、巡礼者と兵士を保護する。
ネンカタコア: 芸術と踊りの神。金の服を着て、キツネやクマの姿で表され、職工を保護する。
グアハイオケ: 恐怖と死の神。悪魔の姿で表される。
スアティバ: 不幸と悪の神。

聖地

イグアケ湖: ムイスカの宗教における人類発祥の地。
グアタビータ湖: 土地の首長が金箔を全身に塗り儀式を行っていた場所。近隣で金製品が出土している。
テケンダマ滝
エル・インフィエルニト
* サン・テンプル: 木材、粘土、葦でできた寺院。スーを称えるために建てられた。スペインの征服時に放棄され、その後破壊されたが、復興した。

もう一度検索