ムーンライト八重垣

ムーンライト八重垣：山陰への夜行快速

ムーンライト八重垣は、かつて西日本旅客鉄道（JR西日本）が運行していた臨時夜行快速列車です。主に、お盆や年末年始などの多客期に、大阪駅または京都駅と出雲市駅の間を結び、東海道本線、山陽本線、伯備線、山陰本線を経由していました。この列車は、山陰地方への夜間移動の足として、多くの人々に利用されていました。

歴史

この列車のルーツは、1989年12月に運行を開始した「ふるさとライナー山陰」に遡ります。当初は、大阪駅と大社駅を結ぶ臨時夜行急行「だいせん」を格下げする形で、京都駅と出雲市駅間での運行が始まりました。その後、1990年7月には「ムーンライト山陰」に名称変更されましたが、同年12月には再び「ふるさとライナー山陰」に戻されました。

1996年7月、この列車は「ムーンライト八重垣」として新たなスタートを切りました。この名称は、JR各社が夜行快速列車に採用している「ムーンライト」と、島根県松江市にある八重垣神社に由来しています。

2000年夏までは京都駅発着でしたが、2001年夏以降はJR西日本の「ムーンライト」シリーズで唯一の大阪駅発着となりました。しかし、2004年夏を最後に、残念ながら運行を休止しています。

運行概況

ムーンライト八重垣は、お盆や年末年始などの多客期を中心に運行されていました。登場当初は、「ムーンライト高知」や「ムーンライト山陽」と併結運転を行っていましたが、後に単独での運転となりました。

運行区間は、2000年夏までは京都駅 - 出雲市駅間でしたが、2001年夏以降は大阪駅 - 出雲市駅間に変更されました。これは、JR西日本の「ムーンライト」シリーズの中で唯一、大阪駅を発着する列車となりました。

停車駅

ムーンライト八重垣の主な停車駅は以下の通りです。

大阪駅
三ノ宮駅
神戸駅
明石駅
加古川駅
姫路駅
岡山駅
生山駅
根雨駅
伯耆大山駅
米子駅
安来駅
松江駅
玉造温泉駅
宍道駅
出雲市駅

使用車両

この列車には、14系座席車が主に使われ、夏期には「シュプール号」の編成も使用されました。他の「ムーンライト」シリーズとは異なり、普通車指定席に加えて自由席も設定されていたのが特徴です。また、2001年冬まではB寝台も連結されていましたが、青春18きっぷのみで利用しようとする乗客とのトラブルが絶えなかったため、寝台車の連結は中止されました。寝台車を利用するには、別途乗車券や料金券が必要でした。

担当乗務員

ムーンライト八重垣の車掌は、米子車掌区が担当していました。

年表

1989年12月：「ふるさとライナー山陰」として京都駅 - 出雲市駅間で運行開始（臨時夜行急行「だいせん」を格下げ）
1990年7月：「ムーンライト山陰」に名称変更
1990年12月：再び「ふるさとライナー山陰」に名称変更
1996年7月：「ムーンライト八重垣」に名称変更
1999年12月：大阪駅発着に変更
2000年7月：京都駅発着で運行
2001年7月：大阪駅発着で運行（以降、大阪駅発着となる）
2001年12月：B寝台車の連結を中止し、座席車のみの編成となる
2004年夏季：全線をDD51形ディーゼル機関車が牽引
2005年：運転を休止

関連事項

夜行列車
京阪神対山陰夜行列車沿革

脚注

注釈
出典

外部リンク

* 快速ムーンライト八重垣 - ほどちゃんの島

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