メイオラニア

メイオラニア（Meiolania）について

メイオラニアは、漸新世から完新世にかけてオーストラリアおよびニューギニアに生息していた大型の陸生カメの一属です。かつては、カメ目に属する全種を含んでいると考えられていましたが、現在ではその分類は曖昧であり、カメの進化における重要な位置を占める存在として注目されています。

沿革：発見と名称

このカメの化石が最初に発見されたのは1884年のことで、ロード・ハウ島で脊椎骨が見つかりました。大英自然史博物館に送られたこの標本は、古生物学者リチャード・オーウェンによって研究されました。当初、彼はメイオラニアを大型のトカゲであると考えており、1886年にその記載を行いました。しかし、1887年にはトマス・ヘンリー・ハクスリーらによって実際にはカメであることが明らかにされました。

この名は、メガラニアに由来し、メイオラニアは「小柄な放浪者」を意味します。オーウェンが誤認していた背景には、進化論に対する彼の見解がありました。当時、科学界では進化論に賛成する者と反対する者の間で激しい論争が繰り広げられており、この結果としてメイオラニアの正体が議論の一環となっていました。

分類

メイオラニア属は、他のカメと同様に分類についての諸説が存在します。一部は初期の潜頸亜目に分類し、また他では後期の真潜頚下目に位置づける意見もあります。近年の研究では、オーストラリアで発見されたメイオラニアの特徴を持つ中生代のカメ類も確認されており、その進化の道筋を示唆しています。

特徴

メイオラニアは、サイズが異なる複数の種が存在し、全長は2メートルから4メートル、体重は150キログラムから1,400キログラムにも達することが推測されています。最大種であるM. oweniは、オーストラリア大陸に広く分布しており、約57センチメートルにも及ぶ頭骨を持ちました。対照的に、ロード・ハウ島に生息していたM. platycepsは約2メートルで、最小種のM. mackayiは甲長が約70センチメートルでした。

メイオラニアの頭部は特徴的で、角のような突起や形成された骨質の鞘がありました。これらはおそらく繁殖行動に用いたと考えられていますが、甲羅に頭を引っ込めることができないため、別の肉体的特徴が必要でした。尾には防御用の突起があり、この点でも他の草食性メガファウナと類似点が見られます。

彼らは植物を食べていたと考えられており、咬合面にはリッジが発達していますが、化石の発見場所から水棲の可能性も指摘されています。

分布と絶滅

メイオラニアは、オーストラリアやロード・ハウ島、ニューギニア、ニューカレドニアなど、陸生のメガファウナの重要な存在として知られていましたが、人類の狩猟により絶滅の危機に瀕しました。化石は限られており、生態や具体的な絶滅時期についても謎が多いですが、研究によれば約4万7000年前にはオーストラリアで、フィジーでは約2,800〜2,900年前まで生存していたと考えられています。

メイオラニアは、その大きさと独特の特徴で、化石の重要な存在であり続けてきました。さらなる研究により、その全貌が明らかにされることが期待されています。

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