メイド・イン・ヨーロッパ

『メイド・イン・ヨーロッパ』は、1970年代のハードロックシーンを牽引したディープ・パープルが、1976年に発表したライブ・アルバムです。1974年12月に発表されたアルバム『嵐の使者』に伴う1975年3月から4月にかけて行われたヨーロッパ・ツアーの最終日、4月7日のパリ公演を中心に収録されています。

アルバムの帯や解説には「4月7日のパリ公演最終日を中心として収録」と記載されていますが、具体的にどの曲が4月7日の演奏なのかは明らかにされていません。しかし、収録されている5曲は、いずれも第三期のディープ・パープルの魅力を余すところなく伝えています。

収録曲は以下の通りです。

1. 紫の炎 - "Burn" - 7:28
2. ミストゥリーテッド - "Mistreated (Interpolating Rock Me Baby)" - 11:43
3. 嵐の女 - "Lady Double Dealer" - 4:18
4. ユー・フール・ノー・ワン - "You Fool No One" - 16:43
5. 嵐の使者 - "Stormbringer" - 5:33

リッチー・ブラックモアのギターは、この時期においても強烈な個性を放っています。特に「ミストゥリーテッド」では、エコーマシンとして使用していたアイワのオープンリール・テープレコーダーの不調から、ブースターとして使用しているというエピソードも残っています。彼のギターソロは、聴く者を圧倒するほどの迫力に満ちています。

デイヴィッド・カヴァデールとグレン・ヒューズのボーカルも、楽曲に深みを与えています。カヴァデールの力強い歌声と、ヒューズのハイトーンボイスが絶妙に絡み合い、聴衆を魅了します。

ジョン・ロードのキーボードは、楽曲に重厚感と奥行きをもたらしています。彼の演奏は、ディープ・パープルの音楽に欠かせない要素の一つです。

そして、イアン・ペイスのドラムは、楽曲全体を力強く支えています。彼の正確かつパワフルなドラミングは、聴く者を興奮の渦に巻き込みます。

このライブを最後に、リッチー・ブラックモアは脱退し、第三期ディープ・パープルは終焉を迎えます。そのため、『メイド・イン・ヨーロッパ』は、第三期の貴重な記録として、ファンにとっては特別な意味を持つアルバムと言えるでしょう。

本作は、ディープ・パープルのライブ・パフォーマンスの魅力を凝縮した一枚であり、彼らの音楽を語る上で欠かすことのできない作品です。ハードロックファンだけでなく、音楽ファン全体にオススメできる名盤と言えるでしょう。

メンバー
リッチー・ブラックモア - ギター
デイヴィッド・カヴァデール - ボーカル
グレン・ヒューズ - ベース、ボーカル
ジョン・ロード - キーボード
* イアン・ペイス - ドラムス

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