メキシカーナ航空940便墜落事故

メキシカーナ航空940便墜落事故

1986年3月31日、メキシコシティ発ロサンゼルス行きのメキシカーナ航空940便（ボーイング727-264型機、愛称「El matthew」）が、離陸直後に墜落し、乗員乗客167名全員が死亡するという痛ましい事故が発生しました。

事故の概要

940便は、メキシコシティのベニート・フアレス国際空港を午前9時に離陸しました。しかし、離陸後わずか15分ほどで、離陸時のブレーキ過熱に起因する複合的なトラブルが発生しました。機長は管制官に「与圧に問題がある」と伝え、緊急着陸を試みましたが、ミチョアカン州マラバト近郊の山岳地帯に墜落しました。

事故直後の対応

事故発生後、近隣住民が墜落を目撃し、警察に通報したことで事態が発覚しました。地元警察とメキシコ軍が捜索を開始しましたが、墜落機の部品が持ち去られたり、中東の自称テロリストが犯行声明を出すなど、捜索は困難を極めました。なお、この犯行声明は後に虚偽であったことが判明しています。

事故の原因

国家運輸安全委員会の調査により、事故の原因は左主脚ブレーキの異常過熱にあることが判明しました。940便のタイヤには、窒素の代わりに圧縮空気が充填されていました。離陸後、車輪格納時にブレーキの熱がタイヤに伝わり、タイヤが過熱してガスを放出。このガスとタイヤ内の酸素が混合し爆発を引き起こしました。この爆発によりギアドアが吹き飛び、左主翼を直撃。左翼の燃料系統と油圧系統が破壊され、火災が発生しました。さらに、機内では急減圧が発生し、操縦不能に陥り、墜落に至ったと結論づけられました。

まとめ

メキシカーナ航空940便墜落事故は、ブレーキの過熱という小さなトラブルが、連鎖的に大規模な事故を引き起こす可能性があることを示唆しています。また、事故後の対応においても、混乱の中で真実を突き止め、再発防止に繋げていくことの重要性を教えてくれる事例と言えるでしょう。

関連項目

原因が似ている事故
ナイジェリア航空2120便墜落事故
エールフランス4590便墜落事故
航空事故
* 航空事故の一覧 (1980年から1999年)

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