メチルイソブチルケトン

メチルイソブチルケトン (MIBK) について

メチルイソブチルケトン（MIBK）は、化学式 CH3C(=O)CH2CH(CH3)2 で表される有機溶媒の一種です。また、IUPAC命名法では 4-メチル-2-ペンタノンという名称が使われます。この化合物は、イソプロピルアセトンとも呼ばれており、特有の甘い香りを持つ無色の液体です。沸点は 116.2 ℃、融点は -84 ℃、引火点は 17 ℃、発火点は 457 ℃といった特性がありますが、アセトンなどの他のケトン類と比べて水に溶けにくい点が特徴的です。

環境と健康への影響

この物質は、消防法において危険物として指定されており、特に第4類引火性液体および第1石油類非水溶性液体に分類されます。さらに、日本の悪臭防止法では特定悪臭物質として認定されており、その使用には注意が必要です。国際がん研究機関による評価では、MIBKはグループ2Bに分類されており、発がん性の可能性がある物質として位置付けられています。また、労働安全衛生法により、第二類物質の特別有機溶剤等として規制されています。

用途

メチルイソブチルケトンは、ニトロセルロースや塗料、接着剤の溶媒としての役割を果たしているほか、ニオブやタンタルを鉱物から分離する過程でも使用されています。これにより、化学工業や製造業で広く利用されています。

製法

MIBKの製造は、アセトンを基にした3段階の化学反応を経て行われます。最初に2分子のアセトンがアルドール反応を起こし、ジアセトンアルコールが生成されます。続いて、この化合物は容易に脱水されてメシチルオキシドとなり、最終的に水素化することでメチルイソブチルケトンが得られます。

このように、MIBKはその化学的特性と工業的な利用から、環境や健康に対する配慮が必要な物質であることが分かります。取り扱いには十分な注意を払い、関連法令に従った使用が求められます。

参考リンク

• - メチルイソブチルケトンのMSDS（厚労省）
• - 国際化学物質安全性カード メチルイソブチルケトン (ICSC:0511)

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