メンデ語

メンデ語は、シエラレオネを中心に話されている言語であり、ニジェール・コンゴ語族のマンデ語派に属しています。この言語は、シエラレオネの主要な民族であるメンデ族によって主に話されていますが、隣接するリベリアやギニアの一部地域でも話されています。また、シエラレオネ南部においては、様々な民族間の共通語（リングワ・フランカ）としての役割も担っています。

メンデ語の大きな特徴の一つとして、声調言語であることが挙げられます。声調言語とは、単語の発音における音の高低（声調）が意味を区別する役割を持つ言語のことです。つまり、同じつづりの単語でも、異なる声調で発音されると、全く異なる意味を持つことになります。この声調の使い分けが、メンデ語を母語としない人々にとっては習得の難しい点の一つとなっています。

歴史的には、メンデ語には独自の文字が存在していました。1921年にキシミ・カマラによって考案されたメンデ文字（キカクイ）は、音節文字であり、一時的に広く使用されました。しかし、後にラテンアルファベットを用いた正書法が導入され、現在ではメンデ文字はほとんど使用されていません。

メンデ語は、映画の世界でもその存在感を示しています。特に、奴隷貿易を扱った映画『アミスタッド』や、シエラレオネの内戦を背景にした映画『ブラッド・ダイヤモンド』では、メンデ語が重要な役割を果たしています。これらの映画を通じて、メンデ語とその文化が世界中の人々に触れる機会が生まれました。

メンデ語に関する研究は、言語学的な観点からはもちろん、文化人類学的な観点からも重要な意味を持っています。メンデ語の文法や語彙の分析、そしてメンデ語が話される地域の文化や歴史の研究を通じて、西アフリカの言語と文化の多様性をより深く理解することができます。

参考文献
Aginsky, Ethel G. (1935). “A Grammar of the Mende Language”. Language 11 (3). doi:10.2307/522079
Innes, Gordon (19). A Practical Introduction to Mende. London: School of Oriental and African Studies.

外部リンク
Ethnologue entry for Mende
Bibliography on Mende
The Mende syllabary (Omniglot)
PanAfrican L10n page on Mende, Bandi & Loko

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