モユルリ島

モユルリ島：海鳥たちの楽園

モユルリ島は、北海道根室市の花咲岬から約7km沖合に位置する無人島です。島の名前はアイヌ語に由来し、「小さいユルリ島」という意味を持っています。面積は約0.3平方キロメートル、標高は37メートルで、大部分が平坦な地形となっています。

地理的特徴

島の周囲は海蝕崖に囲まれており、北側にはイタシペモシリと呼ばれる小島や、カニ岩、二ツ岩といった奇岩が点在しています。これらの地形は、長年の波の浸食によって形成されたものです。

海鳥の繁殖地

モユルリ島は、隣のユルリ島と共に、海鳥の重要な繁殖地として知られています。チシマウガラス、ウミウ、エトピリカなど、多様な種類の海鳥がこの島で繁殖しています。これらの海鳥は、島の豊かな自然環境に惹かれて集まってきます。

1982年3月31日には、ユルリ島と合わせて「ユルリ・モユルリ鳥獣保護区（集団繁殖地）」として国指定を受けました。保護区の総面積は200ヘクタールで、うち31ヘクタールが特別保護地区に指定されています。また、1963年には北海道の天然記念物にも指定されており、その貴重な自然環境が保護されています。

ドブネズミの駆除

かつて、人間の活動に伴って侵入したドブネズミが、海鳥の繁殖に深刻な被害を与えていました。そのため、環境省などが殺鼠剤を散布するなど、駆除活動を実施しました。その結果、2017年3月には、隣のユルリ島を含めてドブネズミの根絶が宣言され、海鳥たちは再び安心して繁殖できる環境を取り戻しました。

歴史

モユルリ島は、古くから根室アイヌと厚岸アイヌの入会地として利用されていました。この島が、地域住民にとって重要な場所であったことを物語っています。

モユルリ島は、その美しい自然景観と貴重な生態系を守りながら、これからも海鳥たちの楽園としてあり続けるでしょう。

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