モンテネグロ鉄道

モンテネグロ鉄道の概要

モンテネグロ鉄道（モンテネグロ語: Жељезница Црне Горе / Željeznica Crne Gore）は、モンテネグロの重要な国営鉄道会社です。この会社は、旅客および貨物の輸送を提供するだけでなく、機関車や車両のメンテナンス、駅や路線施設の管理も行っています。モンテネグロ鉄道は他の多くのヨーロッパ諸国と異なり、鉄道事業の上下分離方式は採用していません。

路線網

モンテネグロ鉄道の主な路線は、ベオグラード＝バール鉄道に基づいています。この路線は1970年代の終わりに完成し、山岳地帯を通るため様々なトンネルや橋があり、特に世界一高い橋梁として知られるマラ・リイェカ橋梁や、6.2キロメートルにおよぶソジナ・トンネルなどが特徴となっています。モンテネグロ国内の約三分の一がトンネルや橋の区間であり、全線電化されたのはこの路線だけです。ただし、ポドゴリツァとニクシッチの間については、現在も電化作業が進行中です。

1990年代には資金不足が深刻化し、それに伴い鉄道網の状態が悪化し安全性が損なわれました。その結果、ビオチェで発生した列車脱線事故では47人が亡くなる悲惨な出来事が起こり、これを契機にベオグラード＝バール鉄道の再建工事が着手されました。

モンテネグロの鉄道の歴史は1908年にさかのぼります。この年に、バールとヴィルパザル（Virpazar）間の30キロメートルの軌間750mmの路線が開通しました。その後、ニクシッチを起点にした支線も運行を開始しました。また、ポドゴリツァとニクシッチを結ぶ56.6キロメートルの路線は1948年に狭軌として敷設されましたが、1965年には標準軌に改修されました。この路線は主にニクシッチで生産されたボーキサイトをポドゴリツァのアルミニウム工場に運ぶために利用されています。現在、この路線は最高速度30キロメートルでの運行に制限されています。

現在、ポドゴリツァとニクシッチ間の改良工事が進行中であり、電化も進められています。2009年以降には旅客輸送が再開され、最高速度は75～100キロメートルに引き上げられる見込みです。

また、ポドゴリツァからアルバニアのシュコドラを結ぶ路線は、さらにティラナまで延伸されていますが、現状では限られた貨物輸送しか行われていません。アルバニア側は1997年に接続を求めていましたが、実際の接続再開は2002年になりました。今後、この路線の再整備が進めば、旅客輸送も再開される可能性があります。

狭軌路線の歴史

過去には、狭軌による鉄道路線がニクシッチからトレビニェを経由し、サラエヴォやモスタル、さらにはクロアチアのプロチェにまで延伸していました。これらの区間の再建計画も現在存在しています。

将来計画

モンテネグロ鉄道は2009年に970万ユーロを投じて鉄道インフラの近代化を進める方針を決定しました。その中で、780万ユーロが軌道の復旧に、150万ユーロが電化の推進に、257,000ユーロが運行規制関連に割り当てられる予定です。これにより、モンテネグロの鉄道網は今後さらに発展することが期待されています。

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