ヤニック・ネゼ＝セガン

ヤニック・ネゼ＝セガンは、1975年3月6日にカナダのモントリオールで生まれました。教育学の教授である両親のもと、幼い頃から音楽に親しみ、5歳でピアノを始めました。10歳になると指揮者を志すようになり、ケベック音楽院モントリオール校でピアノと室内楽を学びながら、プリンストンのウェストミンスター・クワイヤー・カレッジで合唱指揮を学びました。

14歳でモントリオール・ポリフォニー合唱団のリハーサル指揮者を務め、19歳で同団体の監督に就任。同時にモントリオール・オペラの合唱指揮者も務めるなど、若くしてその才能を開花させました。1995年にはシャペル・ド・モントリオールを創設し、2000年にはモントリオール・オペラの音楽アドバイザーとグラン・モントリオール・メトロポリタン管弦楽団の首席指揮者兼芸術監督に就任しました。

2003年から2006年までヴィクトリア交響楽団の首席客演指揮者を務め、2005年頃からはヨーロッパでの指揮活動も活発化させました。シュターツカペレ・ドレスデンやフランス国立管弦楽団など、名だたるオーケストラを指揮しています。2008年から2018年までロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督、2008年から2014年までロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者を務めました。

2008年からはアメリカ合衆国での指揮活動も本格的に開始しました。シャルル・デュトワに招かれてフィラデルフィア管弦楽団にデビューしたのを皮切りに、ボストン交響楽団やロサンゼルス・フィルハーモニックなど、数々のオーケストラに客演しています。同年にはザルツブルク音楽祭でグノーの『ロメオとジュリエット』を指揮し、大きな話題となりました。2009年から2010年にかけては、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、メトロポリタン歌劇場にデビューを果たし、2011年1月にはライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の定期演奏会に初登場しました。

2010年6月には、2012年シーズンからフィラデルフィア管弦楽団の音楽監督に就任することが発表されました。さらに、2013年4月には、同年のシーズンからドルトムント・コンツェルトハウスのレジデント・アーティストに指名され、2015年シーズンには同地位においてウィーン・フィルやバイエルン放送交響楽団を含む複数のオーケストラとのブルックナー・ツィクルスが予定されました。

2016年6月には、フィラデルフィア管弦楽団を率いての来日公演中に、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場が次期音楽監督にヤニック・ネゼ＝セガンを指名するという正式発表がなされました。フィラデルフィア管弦楽団の音楽監督を兼務しながら、2018年からメトロポリタン歌劇場の音楽監督に就任しています。ニューヨークとフィラデルフィアは、高速鉄道で1時間ほどの距離に位置しており、かつてカラヤンがウィーン国立歌劇場とベルリン・フィルの間を行き来していたような、精力的な活動が期待されています。

影響を受けた指揮者として、デュトワとカルロ・マリア・ジュリーニを挙げており、特にジュリーニからは1997年から1998年の間にリハーサルに立ち会わせてもらうなどして指導を受けました。

録音活動も活発で、グラン・モントリオール・メトロポリタン管弦楽団とニーノ・ロータ、サン＝サーンス、ドビュッシー、マーラー、ブルックナーなどを録音しています。また、ピアニストとしても優れており、歌曲録音での伴奏も務めています。2012年7月にはドイツ・グラモフォンへモーツァルトの7大オペラを録音することが発表され、2013年2月には同じくドイツ・グラモフォンにフィラデルフィア管弦楽団とのスタジオ録音を行うことが発表されました。

ヤニック・ネゼ＝セガンは、その卓越した音楽性と情熱的な指揮で、世界中の聴衆を魅了し続けています。

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