ヤングガン2

『ヤングガン2』は、1990年に公開されたアメリカ合衆国の西部劇映画です。前作『ヤングガン』の続編にあたり、前作で一躍有名になったビリー・ザ・キッドの、その後の人生と悲劇的な最期を描いています。

前作では、まだ無名のアウトローだったビリーが、どのようにして名を上げていくのかに焦点を当てていましたが、『ヤングガン2』では、既に伝説的なアウトローとなったビリーが、権力者たちや賞金稼ぎたちに追われる身となり、徐々に追い詰められていく様子が描かれています。

物語は、西部開拓時代が終わりを迎えようとしていた頃、老人がビリー・ザ・キッドの死の真実を語るところから始まります。1878年、ニューメキシコ南部。リンカーン郡戦争を生き延びたビリーは、賞金首として、軍隊や賞金稼ぎたちに追われる身となっていました。

彼は、仲間たちと共に、フォート・サムナーの町を拠点として生活していましたが、軍隊の追跡は容赦なく、彼らの居場所を脅かしていました。一方、かつてビリーと共に戦った仲間の一人であるドクは、足を洗い、ニューヨークで教師として暮らしていましたが、逮捕され、留置所で別の仲間であるチャベスと再会します。

ビリーたちは、ドクとチャベスを助け出すため、行動を起こします。農夫のヘンドリーや、ビリーに憧れる孤児のトムも彼らの仲間入りを果たします。しかし、ビリーの無謀な行動に嫌気が差したパット・ギャレットは、彼らから離れていきます。

こうして、５人となったビリーたちのグループは、牧場王として知られる権力者ジョン・チザムに脅しをかけますが、その結果、チザムとウォーレス知事は手を結び、ビリー抹殺を画策します。そして、彼らがビリー抹殺のためにリンカーン郡の保安官に任命したのは、なんと、かつてビリーと行動を共にしていたパット・ギャレットでした。

映画では、ビリーの仲間であるデイヴ・ルダボウの存在は曖昧に描かれていますが、1879年3月、ビリーはニューメキシコ準州知事であり、『ベン・ハー』の著者でもあるルー・ウォーレスと極秘の会談を行い、説得されて投降しました。しかし、恩赦は期待できず、6月には留置所から脱走しています。

『ヤングガン2』では、前作で描かれたような派手な脱獄シーンなどは見られません。しかし、映画『ビリー・ザ・キッド/21才の生涯』で描かれた、便所の隠し拳銃や小銭を詰めた散弾銃を用いた殺害シーンなどが、オマージュとして登場しており、細部に渡って西部劇への深い理解と敬意を感じさせる作品となっています。

ビリー・ザ・キッドの生涯の最後の章を描いた『ヤングガン2』は、西部劇映画の古典的な要素と、現代的な演出が見事に融合した作品であり、歴史上の出来事に対する新たな解釈を提供する、見応えのある映画と言えるでしょう。 キャスト、スタッフについても、前作同様に豪華な顔ぶれが揃っており、彼らの演技も作品全体のクオリティを高めています。106分という比較的短い上映時間にも関わらず、ビリー・ザ・キッドの複雑な人生と、彼を取り巻く人々の運命を、丁寧に描き出している点は高く評価できます。

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