ユーグレナ (企業)

株式会社ユーグレナ：ミドリムシと共に未来を拓くバイオベンチャー

株式会社ユーグレナ（euglena Co.,Ltd.）は、東京都港区に本社を置く、ミドリムシ（学名：ユーグレナ）を中心とした微細藻類のバイオテクノロジー企業です。研究開発から生産管理、品質管理、関連商品の製造・販売までを一貫して行い、人々の健康と地球環境の改善に貢献することを目指しています。

事業概要

ユーグレナは、ミドリムシが持つ豊富な栄養素（59種類）に着目し、健康食品や化粧品の開発・販売を行っています。さらに、ミドリムシ由来のバイオ燃料（バイオディーゼル燃料やバイオジェット燃料）の研究開発にも力を入れており、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを積極的に進めています。

沿革

2005年: 出雲充氏が仲間とともに会社を設立。当初は資金繰りに苦労するも、伊藤忠商事との提携を機に事業が拡大しました。
2005年12月: 世界で初めてミドリムシの屋外大量培養に成功しました。
2010年3月: 沖縄県石垣市の商店街の命名権を取得し、「ユーグレナモール」と命名しました。
2012年12月: 東京証券取引所マザーズに上場、その後2014年に東証一部へ市場変更しました。
2014年7月: いすゞ自動車と共同で、ミドリムシ由来のバイオディーゼル燃料の実用化に向けた「DeuSELプロジェクト」を開始しました。
2015年1月: 第1回日本ベンチャー大賞を受賞しました。
2019年8月: 18歳以下のCFO（最高未来責任者）を公募し、未来世代の意見を事業に取り入れる試みを始めました。
2021年2月: キューサイを連結子会社化しました。
2023年1月: 丸井グループ、ロート製薬とそれぞれ資本業務提携契約を締結し、サステナブルな社会の実現に向けた協業を進めています。

バイオ燃料事業

ユーグレナは、ミドリムシを原料としたバイオ燃料の実用化に向けて、実証設備の建設や技術開発に力を入れています。2021年には、国土交通省航空局の飛行検査機や民間機であるHondaJetでバイオジェット燃料を使用した飛行に成功しました。バイオ燃料ブランド「サステオ（SUSTEO）」は、使用済みの食用油とミドリムシの油脂を原料としており、環境負荷の低減に貢献しています。

主な製品

飲料: 「からだにユーグレナ」「SPURT」
食品: 「ユーグレナ・ファームのきなこねじり」「ユーグレナのみどり麺」
サプリメント: 「パラミロン580」「メディカプラス」
基礎化粧品: 「B.C.A.D.シリーズ」「oneシリーズ」

評価

ユーグレナのミドリムシ大量培養技術は独自性が高いと評価されていますが、競合企業の存在も指摘されています。しかし、エース経済研究所のアナリストは、ユーグレナが業界をリードしているとの見解を示しています。また、株式市場では、ユーグレナの成長への期待が高く、ベンチャービジネスの成功例として注目されています。一方、空売り投資家からは、バイオジェット燃料事業の遅延や競争環境の厳しさについて指摘も出ています。

その他

教科書掲載: 高校の政治・経済の教科書でベンチャービジネスの事例として紹介されています。
グループ企業: キューサイ
テレビ番組: 「日経スペシャル カンブリア宮殿」で特集されました。
関連書籍: 『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。』などがあります。

ユーグレナの目指す未来

ユーグレナは、ミドリムシの可能性を追求し、食品、化粧品、バイオ燃料など幅広い分野で革新的な製品や技術を提供することで、持続可能な社会の実現を目指しています。地球環境問題や健康問題の解決に貢献する企業として、今後もその活動から目が離せません。

参考資料

株式会社ユーグレナ公式サイト
* 各種ニュース記事、経済メディアなど

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