ユーロコプター EC 225

ユーロコプター EC 225 シュペルピューマ Mk II+

ユーロコプター EC 225 シュペルピューマ Mk II+（現エアバス・ヘリコプターズ）は、応用範囲の広い大型輸送ヘリコプターとして知られています。AS 332 シュペルピューマをベースに設計され、最大では24人の乗客を運ぶことが可能です。主に海洋プラットフォームへの輸送、VIP輸送、警察活動など、多岐にわたって利用されていることが特長です。

開発の経緯

このヘリコプターの開発は1998年の7月に発表され、2000年11月にはプロトタイプの初飛行が行われました。その後、2004年に欧州航空安全局から認証を取得し、実用化が進みました。EC 225は、AS 332L2の拡張版として設計されており、振動を減少させるために5枚の新しい設計のブレードが用いられています。エンジンには、チュルボメカ社のマキラ2Aターボシャフトエンジンが搭載されており、全自動デジタル制御（FADEC）や寒冷地対応の除氷装置が装備されています。さらに、強化されたギアボックスや、グラスコックピット化されたアクティブマトリックス液晶ディスプレイも特徴的です。

EC 225は、搭載構造によって4つの異なるコンフィギュレーションが存在します。乗客輸送版では、19名から最大24名の乗客を運ぶことができます。VIP輸送版は8名の乗客と1名のアテンダントを運ぶための設備が整っています。また、救急用としては、6台のストレッチャーと4名の医療従事者が搭乗可能です。加えて、捜索救助版は専用装備を備え、8名分の座席や3台のストレッチャーに対応できます。

改良型と後継機

2014年には改良型EC225eの開発が発表され、新しいアビオニクスやエンジンの改良が行われる予定でした。しかし、2016年にはコスト削減に伴って一部の改良が中止となりました。同時に、エアバス・ヘリコプターズは後継機としてX6の開発を開始しましたが、こちらも2018年に計画が中止されました。こうした経緯により、EC225の製造は2030年まで続く見込みです。

バリエーションと運用者

EC 225には、AS 332L2の発展型や消火装備を備えたバージョンが存在します。さらに、運用者は多様で、アルジェリアやカナダ、フランス、日本、韓国など、多くの国で活用されています。特に日本では、陸上自衛隊や海上保安庁が主に使用しており、災害時の救助活動や要人輸送に利用されています。

事故とインシデント

このヘリコプターは過去にいくつかの事故も経験しています。2009年には北海上で不時着する事例がありましたが、乗員と乗客全員が無事でした。その後も、ギアボックスの欠陥による墜落事故が発生するなど、注意が必要な機体でもあります。また、近年ではウクライナのヘリコプター墜落事故が注目を浴びました。

技術仕様

• - 乗員: 1または2名（正副操縦士）
• - 定員: 乗客24名とキャビン・アテンダント1名
• - 全長: 19.5m
• - 空虚重量: 5,256kg
• - 最大離陸重量: 11,200kg
• - エンジン: チュルボメカマキラ2A
• - 最大速度: 275.5km/h

EC 225シュペルピューマ Mk II+は、その多機能性と信頼性から、さまざまなミッションに応じて運用されています。今後もその進化に期待が寄せられています。

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