ユーロコプター EC 725

ユーロコプター EC 725 カラカル（H225M）

ユーロコプター EC 725 カラカルは、フランスの航空機メーカーであるユーロコプター（現在はエアバス・ヘリコプターズとして知られる）が開発した多用途の大型軍用ヘリコプターです。この機体は、特に兵員輸送、災害救助、捜索救助活動に使用されるために設計されており、シュペルクーガーという愛称でも呼ばれています。

概要と特徴

このヘリコプターは、フランス空軍の要求に基づいて開発され、最大29名の兵員を輸送する能力を持っています。双発の設計は、長距離の任務にも対応できるよう工夫されており、325km/h以上の速度での運用が可能です。EC 725は、より旧型であるAS 532を改良したもので、民間用に同じ性能を有するEC 225も存在します。

歴史的背景

EC 725の開発は1996年から始まりました。当初、フランス空軍の要求に対応するための試作機AS 532A2は、フランス空軍の厳しい試験を通過できませんでした。しかし、その後、ユーロコプターはEC 725という新たなモデルを開発し、2000年には初飛行を果たします。2001年には公開され、その後フランス空軍から最初の受注がありました。2002年にはフランス陸軍も発注し、ES 725は本格的に運用されることとなりました。その後、ブラジルを皮切りに、他国への輸出も始まります。

設計と性能

設計においては、主ローターを複合材料で構成した5枚ブレード式とし、より高い強度と軽量化を実現。エンジン制御にはFADEC（フライ・バイ・ワイヤ方式のエンジン制御システム）が採用されています。また、コクピットには先進的な液晶ディスプレイを搭載し、操縦士にとって使いやすい環境が整えられています。

自衛機能としては、FN MAG機関銃2丁やレーダー警戒受信機、チャフ・フレアディスペンサーを搭載しています。さらに、兵装システム「HForce」によって、ガンポッドやロケット弾ポッドといった攻撃用武装も搭載が可能です。このように、EC 725は多様な任務に対応できる柔軟性を持っています。

運用者

EC 725は、フランス空軍において6機が戦闘捜索救難機として運用されている他、フランス陸軍でも特殊作戦機として8機が導入されています。また、ブラジル、インドネシア、クウェートなど、いくつかの国でも採用されており、特にウズベキスタン空軍は2023年時点で8機を保有し、様々な任務に従事しています。

仕様

• - 乗員：1または2名
• - 定員：最大28名
• - 全長：19.50 m
• - 全高：4.60 m
• - ローター直径：16.20 m
• - 空虚重量：5,330 kg
• - 運用時重量：5,670 kg
• - 最大離陸重量：11,200 kg
• - 動力：チュルボメカ マキラ 2A1ターボシャフト × 2

性能

• - 最大速度：324 km/h
• - 巡航速度：285 km/h
• - 航続距離：857 km
• - 実用上昇限度：6,095 m

このようにユーロコプター EC 725 カラカルは、効率的かつ効果的な運用が可能であり、多くの国で幅広く利用されている重要なヘリコプターの一つと言えるでしょう。

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