ヨベ州

ヨベ州：サヘルの誇り

ヨベ州はナイジェリアの北東部に位置し、州都はダマトゥルです。この州は、「サヘルの誇り」という愛称を持ち、独自の魅力を放っています。

地理

ヨベ州はニジェールのザンデール州とディファ州、南側にはゴンベ州、南西にはバウチ州、西側にはジガワ州と接しています。北部にはチャド湖流域を形成するヨベ川が流れているものの、水量は少なく、主に乾燥したサバンナが広がっています。一方、南部は相対的に穏やかな気候が特徴です。

歴史

ヨベ州は歴史的に多様な背景を持ち、古くはカネム・ボルヌ帝国の一部でした。ナイジェリアが保護領となった北部地域の一つであり、1954年に北部州として設立されました。1967年には北東部州、1976年にはボルノ州に編入、そして1991年にボルノ州から西部が分割されて現在のヨベ州が設置されました。

経済

農業が主要な産業であり、アラビアガム、ラッカセイ、マメ、綿花などが盛んに栽培されています。また、ポティスクムでは西アフリカ最大規模のウシ市場が開かれており、地元経済に重要な役割を果たしています。加えて、石膏、カオリナイト、石英といった鉱物資源も採掘されています。

住民

地域には多様な民族が住んでおり、特にカヌリ族と南西部のカレカレ族が多数を占めています。最南部にはマルギ族とハウサ族が居住し、その他にもフラニ族、ボレワ族、ンギジム族、バデ族、シュワ族などの民族が共存しています。住民の大半はイスラム教徒であり、2000年にブカール・アッバ・イブラヒム知事のもとでシャリーア法が導入されました。州内には少数派としてキリスト教徒も存在しますが、ローマ・カトリック教会の教区は設けられていません。

地方行政区

ヨベ州には17の地方行政区（LGA）が設置されています。その中にはブルサリ、バルデ、ダマツル、フィカ、フネ、ゲイダム、グジバ、グラニ、ジャクスコ、カラスワ、マチーナ、ナンゲレ、ングル、ポティスクム、タルムワ、ユヌサリ、ユスファリといった行政区があります。

ボコ・ハラムの活動

ヨベ州はまた、イスラム過激派組織ボコ・ハラムの影響を受けた地域でもあります。このグループは2002年にボルノ州で設立され、ヨベ州の治安に深刻な脅威をもたらしています。2009年には治安部隊による浄化作戦が行われ、多くの死者が出ました。さらに、2012年にはダマトゥルやクリスマス・イブに教会が襲撃され、多くの無辜の市民が犠牲になりました。2013年には非常事態宣言が発令され、ナイジェリア軍による空爆が実施されるなど、現在もこの州は治安の安定に苦慮しています。

このように、ヨベ州はその歴史や地理的な背景だけでなく、経済活動や地域住民の文化も含めて非常に多面的な魅力を持つ場所です。

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