ヨルデニス・ウガス

ヨルデニス・ウガス：キューバから世界へ羽ばたいた闘将

ヨルデニス・ウガス・エルナンデスは、1986年7月14日、キューバのサンティアーゴ・デ・クーバに生まれました。アマチュア時代からその才能を輝かせ、2005年には中国・綿陽市で開催された世界ボクシング選手権ライト級で金メダルを獲得。続く2008年の北京オリンピックではライト級で銅メダルに輝き、世界にその名を轟かせました。

2010年7月、プロボクサーとしてキャリアをスタートさせます。順調に勝ち星を重ねる一方、世界レベルの強豪との対戦では苦杯を舐めることもありました。2014年、アミール・イマムに判定で敗北。しかし、ウガスは決して諦めませんでした。

2016年にはジャーマル・ジェームスを判定で下し、着実に実力をつけていきます。2017年には、フロイド・メイウェザー・ジュニア対コナー・マクレガーの前座でトーマス・ドゥローメと対戦。ショーン・ポーターの急遽の欠場を受けての出場でしたが、見事勝利を収めました。

その後もウガスは強豪たちと激闘を繰り広げます。2019年にはWBC世界ウェルター級王者ショーン・ポーターに挑戦しますが、惜しくも判定で敗れました。しかし、この敗戦を糧に、ウガスはさらに強くなりました。同年、元WBC世界ライト級王者オマール・フィゲロアとの挑戦者決定戦を制し、エロール・スペンス・ジュニアへの挑戦権を獲得します。

2020年には、WBA世界ウェルター級レギュラー王座決定戦でアベル・ラモスを下し、念願の王座獲得。そして、2021年にはWBA世界ウェルター級スーパー王者に昇格しました。

最大のターニングポイントとなったのは、2021年8月。エロール・スペンス・ジュニアの欠場により、WBA世界ウェルター級休養王者マニー・パッキャオとの対戦が決定します。左腕の上腕二頭筋を断裂する怪我を負いながらも、ウガスはリングに上がり、パッキャオを判定で下し、初防衛に成功しました。試合後には手術を受けました。

しかし、栄光は長くは続きませんでした。2022年4月、WBC・IBF世界ウェルター級王者エロール・スペンス・ジュニアとの3団体王座統一戦に挑みますが、10回TKOで敗れ、王座から陥落。試合中には右眼窩骨折の重傷を負いました。

2023年9月には、WBC世界ウェルター級暫定王座決定戦でマリオ・バリオスと対戦しましたが、判定で敗れました。

プロ戦績は33戦27勝（12KO）6敗。WBA世界ウェルター級レギュラー王座、WBA世界ウェルター級スーパー王座を獲得しました。

幾多の激戦をくぐり抜けてきたウガスのキャリアは、常にドラマチックで、そして感動的です。敗北を糧に、怪我を克服してリングに立ち続ける彼の闘志は、多くのボクシングファンを魅了し続けています。彼の今後の活躍にも目が離せません。

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