ヨー!スーシ

ヨー!スーシ（YO! Sushi）

ヨー!スーシは、イギリスに本社を置く日本食レストランのグローバルチェーンです。1997年にイギリスの実業家サイモン・ウッドロフによって設立されました。一見すると寿司専門店のように思われますが、寿司だけでなく、幅広い種類の日本料理を提供しているのが特徴です。

歴史

開業までの経緯

1980年代、イギリスでは健康志向が高まり、ロンドンを中心に日本食レストラン、特に寿司を提供する店が増加しました。1990年代に入ると、日本の現代文化への関心が広がり、実業家のサイモン・ウッドロフは、日本式の回転寿司店をイギリスで展開することを思いつきます。ウッドロフは、「ロボットが寿司を握り、コンベアで運ぶ回転寿司は、未来的なエンターテイメントだ」と考えました。

開業

1997年、ロンドン中心部のソーホーにあるポーランド・ストリートに1号店がオープンしました。この店舗は現在も営業を続けています。同じビルには、日本人が名付け親となった高級カラオケ店「ラッキー・ヴォイス」も入居しています。その後、イギリスの主要都市に店舗を拡大し、1999年にはパディントン駅の構内に出店したことで大きな注目を集めました。

現在

ヨー!スーシはその後も成功を続け、ロンドンだけでなく、マンチェスターやバーミンガムなどイギリス国内の主要都市、さらにはアイルランド、アラブ首長国連邦、ロシア、マレーシアなどにも進出しました。現在では、イギリス国内だけでも高級デパートのハーヴェイ・ニコルズやセルフリッジ、ハロッズ、ヒースロー空港やガトウィック空港のターミナルなど、40以上の店舗を展開しています。2017年からはリチャード・ホジソンがCEOを務め、北米で2番目に大きい寿司チェーンであるカナダのBento Sushiを買収しました。この買収により、ヨー!スーシは日本国外で最大の寿司チェーンとなりました。

接客システム

ヨー!スーシでは、日本の回転寿司と同様に、コンベアベルトを使って料理を提供しています。レストラン内の調理場で、寿司やその他の料理が作られ、皿に盛り付けられ、透明なドーム状のプラスチックカバーで覆われた後、コンベアベルトに乗せられます。コンベアベルトは店内を一周しており、客は好きな皿を取ることができます。皿は色分けされており、それぞれ1.70ポンドから5ポンドの価格に対応しています。このシステムにより、店員は会計時に皿の色と数を数えるだけで料金を計算できます。また、オンラインでの注文やQRコードを使った注文システムも導入されています。

メニュー

メニューは寿司だけでなく、刺身、巻き寿司、手巻き寿司、サラダ、デザートなど、91種類ものオプションがあります。チキンカツカレーのような温かい料理も提供されています。

拠点

本社はロンドンのクラークウェル通りにあります。店舗の多くはロンドンに集中していますが、スコットランドのグラスゴーにも拠点があります。

世界的展開

ヨー!スーシは、ドバイ、バーレーン、クウェートなどの中東地域、マレーシア、ロシア、アイルランドにも展開しています。中東地域では生の魚を食べる習慣が少ないため、エビフライを使った巻き寿司などが中心メニューとなっています。また、イギリスでは巻き寿司は海苔が内側でご飯が外側になる裏巻きが一般的です。

その他

「Yo! Company」は、カプセルホテルから着想を得た「Yotel（ヨーテル）」をヒースロー空港やガトウィック空港で展開しています。また、日本の健康ランドにヒントを得た「Yo! Zone」の展開も計画するなど、日本独自のビジネスセンスに影響を受けた事業展開で成功を収めています。

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