ヨースト・レーシング

ヨースト・レーシング：耐久レースの王者

ヨースト・レーシングは、ドイツを拠点とする世界的に有名なレーシングチームです。日本では「イェスト」と呼ばれることもあります。スポーツカーレース、特に耐久レースにおいて圧倒的な強さを誇り、数々の名門自動車メーカーとパートナーシップを結んできました。

誕生とポルシェ時代

1978年、元ポルシェワークスドライバーのラインホルト・ヨーストによって設立されました。チームの拠点であるヴァルト＝ミヒェルバッハをベースに、耐久レースを中心に活動を開始。すぐにその実力を発揮し、ヨーロッパ選手権で優勝を飾るなど、華々しいデビューを飾ります。

特にル・マン24時間レースでは輝かしい成績を残しています。独自の技術と戦略でポルシェワークスチームを破るなど、数々の勝利を挙げ、その名を世界に知らしめました。1980年代には、ブルン・モータースポーツ、クレマー・レーシングと並び、ポルシェ勢のトップ3として君臨するほど、ポルシェからの信頼も厚かったのです。1984年、1985年とル・マン24時間レースを連覇するなど、その実力は折り紙付きでした。

1990年代に入ると、IMSA GTP選手権にも参戦し、デイトナ24時間レースで優勝を飾るなど、活躍の場を広げます。ポルシェが開発を中止したWSC-95というマシンを改良して1996年と1997年にル・マン24時間レースを連覇したことは、ヨースト・レーシングの技術力の高さを示す大きな成果となりました。

アウディ時代と栄光

1998年、ヨースト・レーシングはアウディと提携。事実上のセミワークスチームとして、アウディのプロトタイプレーシングカーの開発やレースオペレーションに深く関わるようになりました。アウディ・R8を駆り、ル・マン24時間レースで再び連覇を達成するなど、その強さを改めて世界に示しました。

アウディとのパートナーシップは、2000年代を通して続きました。2003年には、アウディ・R8をベースにしたベントレー・スピード8でル・マン24時間レースを制覇するなど、マシンを問わず勝利を重ね、まさに「耐久レースの王者」としての地位を確立しました。その後も、アウディ・R10 TDIやR18 TDIといったマシンで勝利を重ね、2014年までル・マン24時間レースで4連覇を達成するなど、輝かしい成功を収めました。2016年にアウディがプロトタイプレーシングから撤退するまで、両者の関係は20年近く続きました。

マツダと新たな挑戦

アウディとのパートナーシップ解消後、2017年にはマツダと新たな契約を結びました。北米マツダのIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権への参戦をサポートし、約2年ぶりにプロトタイプレーシングの世界へ復帰を果たしました。マツダ・RT24-Pというマシンで挑戦を続けましたが、2020年3月にパートナーシップは終了しました。

最新の活動

2021年には、アメリカのスポーツカーメーカーであるグリッケンハウスのル・マン・ハイパーカー「SCG 007」のFIA世界耐久選手権（WEC）参戦をサポートしています。

まとめ

ヨースト・レーシングは、設立以来、長きにわたって耐久レースの世界で活躍し続けている名門チームです。ポルシェ、アウディ、そしてマツダと、数々の名門メーカーとパートナーシップを結び、数々の勝利を収めてきました。その技術力と経験は、世界のモータースポーツ界において高く評価されています。今後も、世界のトップレベルのレースで活躍し続けることが期待されています。

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