ライオンズ (ラグビー)

ライオンズ（Lions）

南アフリカ共和国を代表するラグビーユニオンのプロチームであり、主要国際リーグの一つであるユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップに参戦しています。命名権契約により、現在は「エミレーツ・ライオンズ（Emirates Lions）」の名称で活動しています。本拠地は、ハウテン州の州都であるヨハネスブルグに位置するエリス・パーク・スタジアム（命名権によりエミレーツ・エアライン・スタジアムとも呼ばれる）です。国内の主要大会であるカリーカップに参加するゴールデン・ライオンズを母体として設立された、南アフリカの地域フランチャイズの一つであり、チームカラーは情熱的な赤を採用しています。

チームの沿革

ライオンズのルーツは、1996年に国内の強豪クラブであるゴールデン・ライオンズを母体として創設された地域フランチャイズチームにあります。設立当初の目的は、当時始まったばかりの国際大会であるスーパー12（後のスーパーラグビー）への参加でした。スーパーラグビー初年度の1996シーズンには「トランスヴァール（Transvaal）」、翌1997シーズンには「ハウテン・ライオンズ（Gauteng Lions）」として大会に臨みました。1998シーズンからは、地域フランチャイズ制度の本格導入に伴いチーム名が「キャッツ（Cats）」に変更され、この名称は長く使用されました。そして、2007シーズンからは現在の「ライオンズ」という名称で定着しました。

チームの歴史において、幾度かの浮沈を経験しています。特に2010シーズンのスーパーラグビーでは、リーグ戦13戦全敗という厳しい結果に終わり最下位に沈みました。さらに2012シーズンも再び最下位となったことで、南アフリカラグビー協会は翌2013シーズンのスーパーラグビーからライオンズを除外し、代わりに東ケープ州ポート・エリザベスを拠点とするサザン・キングスを参入させるという決定を下しました。しかし、入れ替わりで参加したサザン・キングスが2013シーズンに最下位となり、シーズン後に行われたライオンズとのプレーオフでライオンズが勝利したため、ライオンズはわずか1シーズンでスーパーラグビーへの復帰を果たしました。この一件は、チームの粘り強さと国内における実力を示す出来事となりました。

その後、チームは再び力をつけ、スーパーラグビーにおいて顕著な成績を残すようになります。特に2016年、2017年、2018年と、3シーズン連続で決勝に進出するという快挙を達成しましたが、惜しくもいずれも準優勝に終わりました。この時期は、ライオンズが南アフリカ勢のトップチームとして国際的な注目を集めた黄金期と言えます。

2020シーズンには、世界的なコロナ禍の影響でスーパーラグビーが中断されたことを受け、南アフリカ国内で代替開催された「スーパーラグビー・アンロックト」に参加しました。そして、2021-22シーズンからは、北半球のチームも参加する新たな主要国際リーグであるユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップへ活躍の場を移しています。

成績とタイトル

ライオンズは、前身のスーパー12、スーパー14、スーパーラグビーといった歴代の国際大会において、特にスーパーラグビー時代に輝かしい成績を残しています。

スーパーラグビー
準優勝：3回（2016年, 2017年, 2018年）

主要国際リーグでの優勝経験はまだありませんが、3年連続で決勝に進出した実績は、チームの高い実力と継続的な競争力を証明しています。

著名な歴代所属選手

ライオンズには、国内外で活躍した多くの著名な選手が所属していました。以下にその一部を挙げます。（所属期間は含まれていません）

- トッド・クレバー（アメリカ代表）
- AJ・フェンター（南アフリカ代表）
- ジャック・フーリー（南アフリカ代表）
- ブッチ・ジェームス（南アフリカ代表）
- ジョシュ・ストラウス（スコットランド代表）
- ロリー・ココット（フランス代表）
- フランコ・モスタート（南アフリカ代表）
- ワーレン・ホワイトリー（南アフリカ代表）
- クワッガ・スミス（南アフリカ代表）
- アフィウェ・デャンティ（南アフリカ代表）
- マルコム・マークス（南アフリカ代表）
- エルトン・ヤンチース（南アフリカ代表）
- ヤニー・デュプレッシー（南アフリカ代表）
- マーヴィン・オリー（南アフリカ代表）
- ローハン・ヤンセ・ファンレンズバーグ（南アフリカ代表）
- ティアン・スワネポール（ナミビア代表）
- ディバン・ルソウ（ナミビア代表）
- ウィレム・アルバーツ
- ヤコ・クリエル

南アフリカ代表「スプリングボクス」の中心選手を数多く輩出しており、ラグビー界におけるライオンズの存在感を示しています。また、他国の代表として活躍した選手も所属していました。

外部リンク

Lions Rugby
ライオンズ公式X (旧Twitter)
* ライオンズ公式 Instagram

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