ライタ川の戦い

ライタ川の戦い

ライタ川の戦いは、1246年6月15日にライタ川付近で、ハンガリー王ベーラ4世とオーストリア公フリードリヒ2世の間で行われた戦闘です。オーストリア軍が勝利を収めましたが、フリードリヒ2世が戦死したことで、バーベンベルク朝が断絶するという結果をもたらしました。戦闘の正確な場所は特定されていませんが、同時代の詩人ウルリッヒ・フォン・リヒテンシュタインは、エーベンフルトとノイフェルトの中間地点であったと記しています。

背景

955年のレヒフェルトの戦いでマジャール人が敗北した後、彼らはドイツへの侵攻を諦め、旧パンノニアにハンガリー王国を築きました。王国の西端はライタ川であり、神聖ローマ帝国の領邦であるシュタイアーマルク辺境伯領と接していました。1180年にシュタイアーマルクは公国に昇格し、1192年以降はバーベンベルク家のオーストリア公がこれを継承しました。これにより、オーストリア公国とハンガリー王国が隣接することとなり、領土をめぐる衝突が頻発するようになりました。

戦闘の経緯

1241年以降、ハンガリー王ベーラ4世はモンゴル帝国の侵攻に苦しみ、モヒの戦いで大敗を喫しました。オーストリア公フリードリヒ2世は、このハンガリーの窮状に乗じて、西ハンガリーのモション、ショプロン、ヴァスヴァールを要求し、ハンガリーに侵攻しました。一方、モンゴル軍の撤退により滅亡の危機を脱したベーラ4世は、娘婿のハールィチ・ヴォルィーニ公子ロスチスラフ・ミハイロヴィチと共に軍勢を集め、ライタ川でオーストリア軍を迎え撃ちました。戦闘そのものはオーストリア軍が勝利しましたが、フリードリヒ2世が戦死するという事態となりました。

戦後

フリードリヒ2世の戦死によりバーベンベルク家が断絶したことで、オーストリアとシュタイアーマルクの両公国を巡り、アールパード朝ハンガリー王国とプシェミスル朝ボヘミア王国の間で戦争が勃発しました。1260年のクレッセンブルンの戦いでは、ボヘミア王オタカル2世がベーラ4世に勝利し、両公国を獲得しました。しかし、1278年のマルヒフェルトの戦いで、ハプスブルク家とハンガリーの連合軍がオタカル2世を破り、彼を戦死させました。これにより、オーストリアとシュタイアーマルクはハプスブルク家のローマ王ルドルフ1世のものとなりました。最終的に、ライタ川は1918年のハプスブルク帝国解体まで、オーストリア（ツィスライタニエン）とハンガリーの国境であり続けました。

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