ラインメタル Rh202

ラインメタル MK.20 Rh 202について

ラインメタル MK.20 Rh 202（Maschinenkanone 20 mm Rheinmetall）は、ドイツのラインメタル社によって開発された20mm口径の機関砲です。この砲は1962年に開発が完了し、その後1960年代後半には西ドイツ陸軍に導入されました。Rh 202は、イスパノ・スイザ HS.820を元にした設計を持ち、使用される弾薬はNATO標準の20×139 mmです。この弾薬は、フランス製の20mm機関砲F2などでも採用されており、西欧での20mm口径弾薬のデファクトスタンダードとなっています。

機能と特徴

Rh 202は、特に2方向から給弾できる構造を持っており、異なる弾種を迅速に切り替えることが可能でした。それによって、戦場における柔軟な運用が可能となり、さまざまな戦術に対応できる機体となっています。さらに、この機構を省いた軽量モデルも存在し、より簡便な運用を求める部隊にも対応可能です。

開発当初は、牽引式の連装砲架と組み合わせられ、低高度防空火力として主に用いられました。しかし、高速攻撃機に対しては、射程と威力が不足するため、防空用途には次第に使われなくなりました。代わりに、Rh 202は地対地火力としての役割に注目されるようになり、特に西側陣営の歩兵戦闘車での採用が進みました。

歩兵戦闘車への搭載

ラインメタル MK.20 Rh 202は、マルダー歩兵戦闘車の主武装として広く知られるようになりました。マルダーは西側の歩兵戦闘車の先駆け的存在であり、そこに搭載されることでその有用性が認識されました。また、Rh 202は偵察任務を担うルクスや、空挺部隊向けのヴィーゼル空挺戦闘車にも搭載されています。

1974年からは、西ドイツ海軍にも導入され、近距離での対舟艇火力として評価されました。単装の簡易マウントに組み込まれ、多様な艦艇の武装として採用されるようになりました。

国際的な採用

この機関砲は、ドイツ国内だけでなく、アメリカを含むNATO加盟国20カ国に採用され、広くその威力と信頼性が認められました。特に日本では、陸上自衛隊が73式装甲車の歩兵戦闘車型への搭載を検討しましたが、予算不足によりその開発は頓挫しています。さらに、航空自衛隊は、1970年代にRh 202の連装砲架型をM55対空機関銃の後継機として試験運用しましたが、最終的にはVADSが採用されました。現在、試験運用されたモデルの一部は浜松広報館に展示されています。

まとめ

ラインメタル MK.20 Rh 202は、機動性と火力を兼ね備えた優れた機関砲です。その性能は時代を超えて評価され、多くの国において利用され続けています。20mm口径の機関砲として、その多様な運用能力と軽量な設計によって、戦場での重要な役割を担ったこの兵器は、現代の軍事装備の中でも特筆すべき存在です。

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