ライヴ・フロム・マディソン・スクエア・ガーデン
『ライヴ・フロム・マディソン・スクエア・ガーデン』は、ギターの神様と称されるエリック・クラプトンと、稀代のマルチプレイヤーであるスティーヴ・ウィンウッドが連名で2009年にリリースしたライブ・アルバムです。クラプトンの所属レーベルであるリプリーズ・レコードから発表された本作は、2008年2月に行われたニューヨーク、マディソン・スクエア・ガーデンでの白熱のパフォーマンスを収録した音源となっています。
クラプトンとウィンウッドの関係は古く、1969年には短命ながら伝説的なスーパーグループ、ブラインド・フェイスを結成し、アルバム1枚を残して解散しました。しかし、時を経て2007年、両名は再びステージで共演する機会を得ます。まず同年5月には、バークシャーで開催されたカントリーサイド・ロックスというコンサートで、クラプトンがウィンウッドのステージにゲストとして登場しました。さらに7月には、シカゴで開催されたクラプトン主催のクロスロード・ギター・フェスティバルにウィンウッドがゲスト参加。これらの度重なる共演を経て、2008年2月25日、26日、28日の3日間にわたり、クロスロード・ギター・フェスティバルと同様に、クラプトンのバンドにウィンウッドが加わる形で、ニューヨークの殿堂、マディソン・スクエア・ガーデンでのジョイント公演が実現しました。
マディソン・スクエア・ガーデンでの公演では、二人の長きにわたるキャリアを網羅する多彩なセットリストが披露されました。特に注目すべきは、かつて共に在籍したブラインド・フェイスの唯一のアルバム『スーパー・ジャイアンツ』から、「泣きたい気持」、「プレゼンス・オブ・ザ・ロード」、「オール・ライト」、「マイ・ウェイ・ホーム」といった名曲が演奏されたことです。これに加え、クラプトンおよびウィンウッドそれぞれのソロ名義の楽曲はもちろん、クラプトンが参加したデレク・アンド・ザ・ドミノスのナンバーや、ウィンウッドが中心だったトラフィックの楽曲もセットリストに組み込まれました。さらに、ブルースやロックの古典的なカバー曲も多数演奏され、特にジミ・ヘンドリックスのカバーは2曲含まれています。「リトル・ウィング」はデレク・アンド・ザ・ドミノスの名盤『いとしのレイラ』でもカバーされていますが、「ヴードゥー・チャイル」については、ウィンウッドがそのオリジナル・ヴァージョンのレコーディングにゲスト参加したというエピソードも特筆されます。ウィンウッドによれば、この時の共演ライブはわずか3日間であったため、選曲にあたってはあえてシンプルで力強い楽曲に焦点を当てたとのことです。
本作はCDとDVDの二つの形態でリリースされました。CDは2枚組で全21曲を収録していますが、DVDは「ロウ・ダウン」を除く20曲入りとなり、ボーナス映像を収めたディスクが追加されています。
アルバムは商業的にも一定の成功を収めました。特にドイツのアルバム・チャートでは最高位8位を記録し、33週にわたってチャート圏内に留まるロングヒットとなりました。一方、クラプトンとウィンウッドの母国であるイギリスでは、全英アルバムチャートで最高40位に留まり、チャートイン期間も2週間と比較的短い結果となりました。
音楽業界の権威ある賞であるグラミー賞では、第52回において本作自体が最優秀ロック・アルバム賞にノミネートされたほか、ブラインド・フェイス時代の楽曲「マイ・ウェイ・ホーム」のライブ・ヴァージョンが最優秀ロック・ボーカル・パフォーマンス賞（デュオまたはグループ部門）にノミネートされるなど、高い評価を得ました。音楽評論家のStephen Thomas Erlewine氏はオールミュージックで5点満点中3.5点を付け、「彼らの非常に魅力的な演奏は心地好い感触をもたらしており、簡素なセッティングが彼らの相互作用にしっかりとスポットライトを当てている」と評しています。
本作のリリース後、クラプトンとウィンウッドは2009年6月10日からアメリカ国内の14都市を巡るジョイント・ツアーを実施しました。このツアーでは、本作のレコーディングに参加したイアン・トーマスに代わり、エイブラハム・ラボリエル・ジュニアがドラムスを務めました。さらに2011年には、11月から12月にかけて日本でのツアーも行われ、その際にはスティーヴ・ガッドがドラマーとして参加するなど、アルバム発表後も二人の共演は続きました。
このマディソン・スクエア・ガーデン公演に参加した主要メンバーは以下の通りです。
背景：伝説的な二人の再会
クラプトンとウィンウッドの関係は古く、1969年には短命ながら伝説的なスーパーグループ、ブラインド・フェイスを結成し、アルバム1枚を残して解散しました。しかし、時を経て2007年、両名は再びステージで共演する機会を得ます。まず同年5月には、バークシャーで開催されたカントリーサイド・ロックスというコンサートで、クラプトンがウィンウッドのステージにゲストとして登場しました。さらに7月には、シカゴで開催されたクラプトン主催のクロスロード・ギター・フェスティバルにウィンウッドがゲスト参加。これらの度重なる共演を経て、2008年2月25日、26日、28日の3日間にわたり、クロスロード・ギター・フェスティバルと同様に、クラプトンのバンドにウィンウッドが加わる形で、ニューヨークの殿堂、マディソン・スクエア・ガーデンでのジョイント公演が実現しました。
公演内容と収録曲
マディソン・スクエア・ガーデンでの公演では、二人の長きにわたるキャリアを網羅する多彩なセットリストが披露されました。特に注目すべきは、かつて共に在籍したブラインド・フェイスの唯一のアルバム『スーパー・ジャイアンツ』から、「泣きたい気持」、「プレゼンス・オブ・ザ・ロード」、「オール・ライト」、「マイ・ウェイ・ホーム」といった名曲が演奏されたことです。これに加え、クラプトンおよびウィンウッドそれぞれのソロ名義の楽曲はもちろん、クラプトンが参加したデレク・アンド・ザ・ドミノスのナンバーや、ウィンウッドが中心だったトラフィックの楽曲もセットリストに組み込まれました。さらに、ブルースやロックの古典的なカバー曲も多数演奏され、特にジミ・ヘンドリックスのカバーは2曲含まれています。「リトル・ウィング」はデレク・アンド・ザ・ドミノスの名盤『いとしのレイラ』でもカバーされていますが、「ヴードゥー・チャイル」については、ウィンウッドがそのオリジナル・ヴァージョンのレコーディングにゲスト参加したというエピソードも特筆されます。ウィンウッドによれば、この時の共演ライブはわずか3日間であったため、選曲にあたってはあえてシンプルで力強い楽曲に焦点を当てたとのことです。
リリース形態と反響・評価
本作はCDとDVDの二つの形態でリリースされました。CDは2枚組で全21曲を収録していますが、DVDは「ロウ・ダウン」を除く20曲入りとなり、ボーナス映像を収めたディスクが追加されています。
アルバムは商業的にも一定の成功を収めました。特にドイツのアルバム・チャートでは最高位8位を記録し、33週にわたってチャート圏内に留まるロングヒットとなりました。一方、クラプトンとウィンウッドの母国であるイギリスでは、全英アルバムチャートで最高40位に留まり、チャートイン期間も2週間と比較的短い結果となりました。
音楽業界の権威ある賞であるグラミー賞では、第52回において本作自体が最優秀ロック・アルバム賞にノミネートされたほか、ブラインド・フェイス時代の楽曲「マイ・ウェイ・ホーム」のライブ・ヴァージョンが最優秀ロック・ボーカル・パフォーマンス賞（デュオまたはグループ部門）にノミネートされるなど、高い評価を得ました。音楽評論家のStephen Thomas Erlewine氏はオールミュージックで5点満点中3.5点を付け、「彼らの非常に魅力的な演奏は心地好い感触をもたらしており、簡素なセッティングが彼らの相互作用にしっかりとスポットライトを当てている」と評しています。
その後の共演ツアー
本作のリリース後、クラプトンとウィンウッドは2009年6月10日からアメリカ国内の14都市を巡るジョイント・ツアーを実施しました。このツアーでは、本作のレコーディングに参加したイアン・トーマスに代わり、エイブラハム・ラボリエル・ジュニアがドラムスを務めました。さらに2011年には、11月から12月にかけて日本でのツアーも行われ、その際にはスティーヴ・ガッドがドラマーとして参加するなど、アルバム発表後も二人の共演は続きました。
レコーディング・メンバー
このマディソン・スクエア・ガーデン公演に参加した主要メンバーは以下の通りです。
- - エリック・クラプトン - ボーカル、ギター
- - スティーヴ・ウィンウッド - ボーカル、ギター、キーボード
- - クリス・ステイントン - キーボード
- - ウィリー・ウィークス - ベース
- - イアン・トーマス - ドラムス
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。