ラウソン

ラウソンの概要

ラウソン（スペイン語: Rawson）は、アルゼンチンのパタゴニア地域に位置するチュブ州の自治体であり、同州の州都でもあります。この街は、特にウェールズ系アルゼンチン人のコミュニティが多く存在することで知られています。ラウソンは豊かな自然環境に囲まれ、チュブ川が流れており、その水辺には多くの歴史的な出来事が刻まれています。

地理的特性

2012年のデータによると、ラウソンの人口は26,306人ですが、ラウソン・デパルタメント全体では約122,000人に達します。チュブ州は1957年に州として設立され、ラウソンはその州都として位置づけられました。ただし、コモドーロ・リバダビアやトレレウなどの他の都市に比べると、ラウソンは人口規模で言えば5番目に小さい都市です。

この地域は海に近く、中心部からわずか6kmのところには「プラージャ・ウニオン」というビーチがあります。魚介類の漁業はラウソンの主要な経済活動であり、漁港の「プエルト・ラウソン」はチュブ川を下った5kmの地点に位置しています。また、ラウソンは北半球の札幌市と同緯度にありながら、乾燥した気候です。冬は0〜15度、春と秋は10〜20度、そして夏は38度近くまで気温が上昇することもあります。

歴史

最初の入植

ラウソンの最初の入植は1810年代に遡ります。ウェールズ人探検家のヘンリー・リバヌス・ジョーンズが1854年にチュブ川沿いに基地を設立しましたが、彼の拠点は早々に放棄されました。しかし、1865年には、最初のウェールズ系開拓者たちが「ミモーサ」という帆船でプエルト・マドリンに上陸し、再びこの地を探索しました。彼らは真水を求めて南へ進み、チュブ川に到達しました。

町の発展

その後、1865年にフリアン・ムルガ大佐によって町が正式に設立され、ウェールズ系移民がここに集まってきました。ラウソンという名称は、アルゼンチンの内務大臣、ギジェルモ・ラウソン博士に由来し、彼は移民の支援を行っていたことで知られています。当初、この町はウェールズ語で「ラウソンの町」を意味する「Trerawson」と呼ばれており、現在でもこの名称を使用する住民がいます。1970年代には立派な政庁舎が建設され、「パタゴニアのリトル・ブラジリア」とも称されるようになりました。

交通

ラウソンはアルゼンチン国道3号線に沿っており、首都ブエノスアイレスから南に約1360kmの距離に位置しています。また、内陸にはトレレウがあり、そこにはアルミランテ・マルコ・アンドレス・サール空港があります。この空港は多くの都市と結ばれており、パタゴニア地域の重要な交通拠点となっています。

文化

ラウソンには、歴史的遺産や古い写真を展示する市立博物館と、ウェールズ系移民の生活品を所蔵するドン・ボスコ博物館があります。また、ヘネラル・サン・マルティン動物園/公園は、チュブ川沿いに位置し、6ヘクタールの広さを誇る緑地です。

ラウソンは、豊かな自然、活気あるコミュニティ、そして深い歴史を持つ魅力的な場所です。

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