チュブ川

チュブ川について

チュブ川（チュブがわ、チュブト川）は、アルゼンチンの南部、パタゴニア地域を流れる重要な河川です。アンデス山脈の山麓を源流とし、西から東へと流れ、最終的にはチュブ州の州都ラウソン近くで大西洋に注ぎます。その全長は約810kmで、比較的浅い水深を持ちます。また、この川は季節によって水量が大きく変動し、乾季には4m³/秒から、雨季には30m³/秒に達することがあります。これにより、時折おこる洪水が流域に肥沃な土地を形成し、農業にとって重要な役割を果たしています。さらに、チュブ川は数多くの釣り愛好家に支持されており、特に鱒釣りの名所として知られています。

歴史的背景

19世紀には、ウェールズ人入植者がチュブ州に到着し、「Y Wladfa」と呼ばれる入植地を築きました。この地域の町の名称の多くはウェールズ語に由来しており、地域にはウェールズ語やウェールズ風のティーハウスが存在します。特にドラボンやトレレウは、こうした文化の典型的な例です。また、チュブ川という名称は、先住民のテウエルチェ語で「透明な」を意味する「チュパ」に由来し、その流域の名称であるチュブ州もこの川から名づけられました。ウェールズ人入植者は川を「Afon Camwy」（「ねじれ川」の意味）と呼んでいたことも特筆すべき点です。

チュブ川の流路

チュブ川の本流は、リオ・ネグロ州のカレラスに起源を持ち、その流域はリオ・ネグロ州のサン・カルロス・デ・バリローチェとチュブ州のエスケルの間に広がっています。北西から南東へと流れるチュブ川は、パソ・デ・インディオス付近で西から東へと流れを変え、ラス・プルマスの町を流れます。この川にはいくつかの重要な支流が存在し、特にチコ川が最大の支流となっています。多くの支流が集まり、ピエドラ・パラーダの町を通過し、その後再び東へと流れを変え、高速道路25号線と交差します。

下流ではトレレウやチュブ州の州都ラウソンを流れていき、最終的にはエンガーニョ湾を通じて大西洋に注ぎます。これにより、流域の人々にとってチュブ川は不可欠な水源となっており、地域経済にも大きな影響を与えています。

水力発電

チュブ川には、フロレンティーノ・アメギノに因んで名付けられたダムが存在します。このダムはトレレウから約120km西に位置しており、堤頂長は255mほど、深さは56mになります。このダムは1943年にアントニオ・ドミンゴ・プロンサートによって設計され、1963年に運用が開始されました。水の流れは1秒あたり150m³にも達し、このダムにより人造湖が形成され、その表面積は70km²に及びます。このシステムは、ピコ・トルンカードやカレータ・オリビア、コモドーロ・リバダビアなどの地域に電力を供給しています。

ギャラリー

チュブ川の美しい風景や文化的な側面は、非常に多くの訪問者を引き付けています。自然の恵みを感じながら、歴史を学ぶことのできる貴重な場所です。

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