ラコニア (客船・2代)

2代目ラコニアは、1921年4月9日にイギリスのキュナード・ラインで進水した客船です。この船は、先代のラコニアと同様に、ドイツの潜水艦によって沈没するという悲劇に見舞われました。この事件は「ラコニア号事件」として知られています。

船歴

ラコニアは1922年5月25日に、サウサンプトンからニューヨークへ向けて処女航海に出発しました。翌1923年1月には、最初の世界一周航海に出発し、130日間にわたる航海で22の港に寄港しました。しかし、1934年9月23日には、濃い霧の中をボストンからニューヨークへ航行中に、アメリカの貨物船と衝突事故を起こしました。

第二次世界大戦が勃発すると、ラコニアは1939年9月4日に海軍に徴用され、仮装巡洋艦となりました。1940年1月23日には、金塊を積んでポートランドとハリファックスへ向けて出発し、その後は大西洋で船団護衛任務に従事しました。同年6月9日には、ハリファックスで座礁し、7月末まで修理を必要とする事態となりました。その後、ラコニアは兵員輸送船に改装され、中東への兵員輸送任務に就きました。

ラコニア号事件

1942年9月12日、ラコニアはイタリア人捕虜を乗せて航行中、アセンション島の北北東130マイルの地点でドイツ潜水艦U156の攻撃を受けました。午後8時10分に右舷に魚雷が命中し、9時11分には沈没しました。沈没後、U156を含むドイツとイタリアの潜水艦、ヴィシー・フランス政府の軍艦が共同で生存者の救助作業を行いましたが、アメリカ軍機がこれを攻撃したため、救助された乗員の一部が死亡するという悲劇に見舞われました。

この時ラコニアに乗船していたルドルフ・シャープ船長は、連合国商船の中で最大の犠牲者を出したとされる「ランカストリア」が撃沈された際の船長でもありました。これにより、シャープ船長は、2度も悲劇的な海難事故に遭遇した人物として歴史に名を残すことになりました。

その後

ラコニア号事件は、その悲惨さからテレビドラマ化もされています。邦題は『Uボート156 海狼たちの決断』または『ラコニア号 知られざる戦火の奇跡』として知られています。

外部リンク

The Laconia Incident - ラコニアの撃沈についての英語のページ。

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