ラジカル・ガジベリビンバ・システム

ラジカル・ガジベリビンバ・システム：異才集団の軌跡

ラジカル・ガジベリビンバ・システム（RGS）は、1985年から1989年にかけて活躍した、日本の演劇ユニットです。個性豊かなメンバーと実験的な舞台表現で知られ、現代演劇史に独特の足跡を残しました。その活動は、テレビ出演やビデオ作品など多岐に渡り、80年代の演劇シーンを彩る重要な存在でした。

メンバーと個性的な顔ぶれ

RGSには、錚々たるメンバーが集結していました。お笑いトリオのシティボーイズ（大竹まこと、きたろう、斉木しげる）をはじめ、俳優の竹中直人（1987年まで在籍）、作家・ミュージシャンのいとうせいこう、劇作家・演出家の宮沢章夫といった、各界の才能が結集。さらに、俳優の中村ゆうじ、秋野まり子、田丸小玉（現：宮沢こずえ）、森正幸、住田隆、西田康人（現：緋田康人）、そして女優の布施絵里（現：ふせえり）ら、多彩な才能が独特の化学反応を生み出しました。

ゲスト出演者も豪華で、YOU（江原由希子）、加藤賢崇、神戸浩、犬山イヌコ（犬山犬子）、田口トモロヲといった、後の演劇界や芸能界で活躍する面々が名を連ねています。

誕生秘話：ドラマンスからRGSへ

RGSの起源は、シティボーイズ主催のコントイベント「シティボーイズ・ショー」に遡ります。竹中直人、宮沢章夫の参加をきっかけに、1984年5月には「スネークマンショー 楽しいテレビ」で共演したメンバーを加え、「ドラマンス」が結成されました。しかし、1985年9月、ラフォーレ原宿での公演を機に、メンバー構成を変更し「ラジカル・ガジベリビンバ・システム」として活動を開始。松本小雪、桑原茂一を除くメンバーで新たな船出を迎えました。その後も、布施絵里や田丸小玉らが加わり、メンバーは増え続けました。選曲には、音楽プロデューサー・アーティストの井出靖が協力。さらに、ラジカル後期には若手ユニット「ナベナベ・フェヌア」を創設し、松尾スズキらが参加するなど、演劇シーンに大きな影響を与え続けました。

テレビへの進出：数々の番組出演

RGSは、舞台にとどまらず、テレビ番組にも多数出演しました。レギュラー番組として、読売テレビのローカル番組『なげやり倶楽部』（1985年10月～1986年1月）や、日本テレビの『ニッポンテレビ大学』（1987年4月～7月）などに出演。個性的なパフォーマンスで視聴者を魅了しました。また、フジテレビの『冗談画報』、『河田町プッツン意思表示』、『スーパーパフォーマンス’86』、NHK総合の『スーパーパフォーマンス’86』、そして関西テレビの『ビデオチャンネル 中島らもの現代キイワードブック』など、数多くの番組にゲスト出演しています。

1986年11月～12月に上演された舞台「未知の贈りもの」は、テレビ番組で放送されるなど、その人気を裏付ける出来事となりました。

ビデオ・レーザーディスク：作品への記録

RGSの活動は、ビデオ・レーザーディスクにも記録されています。『ラジカル・ガジベリビンバ・システム・プレゼンツ　ビート・コミック ノー・センス・リクワィアード』（1986年8月5日発売）は、RGSメンバーに加え、小林克也、藤原ヒロシ、松本小雪といった豪華客演陣を迎え、中野裕之監督、宮沢章夫脚本・構成、松浦雅也（PSY・S）音楽という、錚々たるスタッフ陣によって制作されました。

RGSの系譜：関連団体と影響

RGSの活動は、後の演劇ユニットにも大きな影響を与えました。RGSと関連性の深い団体としては、「ビシバシステム」、「ドラマンス」、「遊園地再生事業団」などが挙げられます。これらのユニットとの繋がりからも、RGSが80年代の演劇シーンに及ぼした影響の大きさが分かります。

RGSは、わずか4年間の活動でしたが、その革新的な舞台表現、個性豊かなメンバー、そしてテレビ出演などを通して、現代演劇史に大きな足跡を残しました。彼らの活動は、今も多くの演劇ファンに語り継がれ、その影響は現在も演劇界に受け継がれています。

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