ラッデロウ級護衛駆逐艦

ラッデロウ級護衛駆逐艦について

ラッデロウ級護衛駆逐艦（Rudderow-class Destroyer Escorts）は、アメリカ海軍が第二次世界大戦の後期に建造した艦級であり、主に人口艦隊の護衛や哨戒を目的として設計されました。この艦級は一般にTEV型（Turbo-Electric drive）とも呼ばれています。1944年から運用が開始され、その後は太平洋および大西洋戦線で活躍しました。その多くが大戦を生き延びましたが、1974年までには全艦が除籍されることとなりました。艦名の由来となったのは、アメリカ海軍の軍人トーマス・ライト・ラッデロウです。

設計の背景

ラッデロウ級は、先行して完成したバックレイ級護衛駆逐艦（TE型）の設計をもとに、いくつかの改良を施した形で建造されました。特に、艦の重心を低くすることや、砲撃力の向上が目指されました。これにより、艦の復原性能が改善され、安定性が向上しました。艦橋の構造物は1層低く設けられ、外観にも変化が見られます。

主機関の仕様

主機関は、バックレイ級と同様のターボエレクトリック方式が採用されています。蒸気ボイラーとして、商船用に設計されたD形水管ボイラーが使われており、高い圧力と温度にも耐えられる性能を持っています。具体的には、圧力は435 lbf/in2（約30.6 kgf/cm2）、温度は399℃です。蒸気タービンは複数の段を有し、6,750馬力を発揮します。この性能により艦は迅速な移動が可能となり、戦場での機動力に寄与しました。

装備の特徴

武装については、ラッデロウ級はより強力な38口径12.7cm砲を艦首と艦尾に1基ずつ、砲塔を備えた形で装備しています。従来の護衛駆逐艦が持つ単装砲に対し、こちらはより高火力で攻撃的な運用を可能にしました。また、高角機銃としては40mm連装機銃が艦橋の前後に配置されています。

対潜対策としては、後甲板に8基の爆雷投射機が設置されており、艦尾には爆雷投下軌条が備えられています。また、艦首甲板にはヘッジホッグMk.10という対潜迫撃砲が装備されています。この武器は非常に効果的な対潜火力を持つため、敵の潜水艦に対して強力な抑止力となりました。

長魚雷発射管は、対水上火力として使用されることを想定して設計されていましたが、後の改修では防空能力を強化するために撤去され、多くの艦で40mm単装機銃が追加される決定がされました。

配備状況

ラッデロウ級は、252隻の建造が計画されましたが、1944年の時点で180隻が建造中止となり、最終的には72隻が完成しました。その中で、特に50隻は高速輸送艦へと設計変更され、クロスレイ級高速輸送艦として運用されました。ラッデロウ級として完成した艦は22隻です。

この艦級は、その効果的な設計と優れた性能により、アメリカ海軍において重要な役割を果たしました。多くの艦が大戦後も他の任務に従事し、長きにわたり活躍したことから、その存在は歴史に印象を残すものとなりました。

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