ラテンジャズ

ラテン・ジャズとは

ラテン・ジャズは、ラテンアメリカのリズムを取り入れたジャズの一形態です。一般的なジャズのスウィング感とは異なり、8分音符や16分音符を基調としたスクエア・ビートで演奏されるのが特徴です。強力なシンコペーションと複合リズムが用いられ、独特のグルーヴ感を生み出します。

楽器編成も通常のジャズとは異なり、コンガ、ボンゴ、ティンバレスなどのラテン・パーカッションが頻繁に用いられます。これらの楽器が、ラテン・ジャズ特有のリズムとサウンドを作り出す上で重要な役割を果たしています。

ラテン・ジャズの種類

ラテン・ジャズは大きく分けて、以下の2つの種類があります。

アフロ・[[キューバン・ジャズ]]: キューバを中心とした中米の音楽を基盤として発展したジャズです。ルンバ、ソン、マンボ、サルサ、メレンゲ、カリプソ、チャチャチャ、ボレロなどの要素を取り入れています。
ブラジリアン・ジャズ: ブラジルの音楽、特にサンバやボサノヴァを基盤として発展したジャズです。キューバ系とは音楽的形態が異なるため、区別されることが多いです。

アフロ・[[キューバン・ジャズ]]

アフロ・[[キューバン・ジャズ]]は、1940年代から1950年代にかけて、キューバの音楽が色濃く反映されたジャズとして発展しました。ニューヨークに渡ったキューバ移民たちが、西アフリカのリズムとジャズを融合させ、独自の音楽を作り上げたのが始まりです。

マチートやマリオ・バウサといった先駆者たちが、マンボをジャズに取り入れたことで、アフロ・[[キューバン・ジャズ]]の基礎が築かれました。ディジー・ガレスピーも、コンガ奏者のチャノ・ポソを迎え、ラテン・ジャズの発展に大きく貢献しました。

ブラジリアン・ジャズ

ブラジリアン・ジャズは、サンバやボサノヴァといったブラジルのリズムを直接的な源流としています。1962年には、スタン・ゲッツとジョアン・ジルベルトが共演したアルバム『ゲッツ/ジルベルト|ゲッツ_ジルベルト』がアメリカで大ヒットし、特に「イパネマの娘」はボサノヴァをアメリカに広めるきっかけとなりました。

アントニオ・カルロス・ジョビンも、ジャズのプロデューサーであるクリード・テイラーと共にアルバムを制作し、ボサノヴァをジャズの世界に浸透させました。ただし、彼らの音楽は「ボサ・ジャズ」と呼ばれることが多く、ラテン・ジャズの主流とは異なる位置づけです。

代表的な人物、グループ

ウィリー・ボボ
ディジー・ガレスピー
モンゴ・サンタマリア
ティト・プエンテ
エディ・パルミエリ
イラケレ
ミッシェル・カミロ
熱帯JAZZ楽団

代表的な曲

「キャラバン」 - デューク・エリントン
「リカード・ボサノヴァ」 - ハンク・モブレー
「ウォーターメロン・マン」 - モンゴ・サンタマリア
「マンテカ」 - ディジー・ガレスピー
* 「イヴィル・ウェイズ」 - ウィリー・ボボ

ラテン・ジャズは、多様なリズムとメロディが融合した、情熱的で奥深い音楽です。ぜひ一度、その魅力に触れてみてください。

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