ラディニアン

ラディニアンについて

ラディニアン（Ladinian）は、中期三畳紀に属する地質時代で、約2億4200万年前から2億3700万年前までの期間を指します。この時代は、地球の歴史において重要な役割を果たしており、多くの地質学的な変化が見られました。

名称の由来

ラディニアンという名前は、イタリア北部のドロミーティ地方に住む民族「ラディナー」に由来しています。この地域は、地質学的にも特異な特徴を持っており、ラディニアン期の研究において重要な地層が見つかっています。

層序学的定義

ラディニアンの基底は、特定のアンモナイトの種、Eoprotrachyceras curionii、またはコノドントの種Budurovignathus praehungaricusが初めて層序記録に現れる地点によって定義されています。この基準となる国際標準模式層断面（GSSP）は、イタリア北部のブレシア県バゴリーノにあるカッファロ川の露頭で確認されています。この地点では、ラディニアン期の初期段階を示す化石が発見されています。

日本におけるラディニアンの研究

日本でもラディニアンに関連する地層が見つかっており、特に北海道の蝦夷層群のナイ沢層では、石灰岩から後期ラディニアンから前期カーニアンにかけてのコノドント化石が報告されています。コノドントは、古生物学において重要な役割を果たす化石であり、この時代の海洋環境の理解を深める上で役立っています。

また、熊本県においてもラディニアンとカーニアンに相当する地層が確認されています。特に神瀬帯に分布する神瀬層群の大瀬累層と告累層からは、ラディニアン期のサンゴ化石が見つかっており、これらの化石は当時の生物多様性を示す重要な証拠となっています。さらに、Tardogondolella abneptisやEnantiognathus ziegleri、Ozarkodina tortilisといったコノドント化石からも、ラディニアン期とカーニアン期の連続性が確認されています。これにより、日本におけるラディニアンの存在とその特性についての理解が進んでいます。

結論

ラディニアンは、中期三畳紀の中でも特に興味深い地質時代であり、地層や化石の研究を通じてその時代の生態系や環境の変化を理解することができます。イタリアでの発見から始まり、日本国内での研究が進むことで、ラディニアン期の化石記録やその重要性がますます明らかになっています。

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