ラフィアン

ラフィアン：輝ける才能と悲劇の生涯

1972年4月14日、ケンタッキー州クレイボーンファームで生まれたラフィアンは、アメリカ競馬史にその名を刻んだ名牝である一方、悲劇的な最期を遂げた馬としても知られています。本稿では、その生涯を紐解き、その才能と運命に迫ります。

華々しいデビューと10連勝

1974年5月22日、ベルモントパーク競馬場でのデビュー戦。ラフィアンは圧倒的なスピードで他馬を寄せ付けず、見事な勝利を収めました。続く重賞レースでも圧勝を重ね、デビューから10連勝という驚異的な記録を達成。そのスピードとパワーは、関係者を魅了しました。特に、アストリアステークスではコースレコードに迫るタイムを記録するなど、卓越した才能を示しました。
しかし、スピナウェイステークス勝利後に右後脚の球節を骨折。この怪我のため、1974年シーズンの残りは休養に費やされました。それでも、その3ヶ月の活躍は高く評価され、エクリプス賞最優秀2歳牝馬を受賞しました。

ニューヨーク牝馬三冠達成

怪我から回復したラフィアンは、1975年4月に復帰。復帰戦では斤量差をものともせず、圧勝。続くカムリーステークスも制し、当時のニューヨーク牝馬三冠（エイコーンステークス、マザーグースステークス、コーチングクラブアメリカンオークス）への挑戦が決まりました。
1600mのエイコーンステークス、1800mのマザーグースステークスと、距離が延びるごとに着差は広がり、圧巻の勝利。そして、2400mのコーチングクラブアメリカンオークスも制し、見事ニューヨーク牝馬三冠を達成しました。

マッチレースと予後不良

アメリカ三冠を制した3頭の馬による招待競走が企画されましたが、ベルモントステークス優勝馬の陣営が参加を辞退。代わりにラフィアンが招待されたものの、プリークネスステークス優勝馬の陣営も辞退したため、ケンタッキーダービー優勝馬フーリッシュプレジャーとのマッチレースが決定。
1975年7月6日、ベルモントパーク競馬場。5万人以上の観客が詰めかける中、レースは始まりました。ラフィアンは一時リードするも、ゴールまで残り800m地点で競走を中止。右前脚の種子骨を粉砕骨折していました。重傷だったため安楽死が選択され、ラフィアンはベルモントパーク競馬場の敷地内に埋葬されました。このレースを最後に、アメリカではマッチレースは行われなくなりました。

ラフィアンのその後と評価

翌年にはアメリカ競馬名誉の殿堂博物館入りを果たし、1999年には競馬雑誌ブラッド・ホースが選定した20世紀のアメリカ名馬100選において、牝馬として最高位となる35位にランクイン。その才能は、今もなお語り継がれています。

ラフィアンの血統とエピソード

ラフィアンの父レビュワー、母シェナニガンズも、ラフィアンと同様に骨折を原因とする予後不良となっています。また、サラブレッドクラブ・ラフィアンの名称は、この馬に由来しています。

ラフィアンが残したもの

短くも華々しい競走生活、そして悲劇的な最期。ラフィアンは、人々に深い感銘を与え、多くの伝説を残しました。その才能と運命は、今もなお、競馬ファンの胸に刻まれています。彼女の物語は、競走馬の儚さと美しさを象徴する、忘れられない物語と言えるでしょう。

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