ランドルフ (空母)

USS Randolph (CV-15)

USS Randolph (CV/CVA/CVS-15)は、アメリカ海軍のエセックス級航空母艦の一隻で、同級の中で13番目の艦船として就役しました。艦名はペイトン・ランドルフにちなんでおり、同名の艦はこれが二隻目となります。「ランドルフ」は、初期の有人宇宙飛行においても重要な役割を果たし、特に「マーキュリー計画」では宇宙飛行士ガス・グリソムおよびジョン・グレンの回収を行いました。

艦歴の概要

「ランドルフ」は1943年5月10日にバージニア州の造船所で起工され、1944年10月には初代艦長フェリックス・ロック・ベイカー大佐の指揮のもと就役しました。艦の整調航海はトリニダードからパナマ運河を経て行われ、1944年12月にはサンフランシスコに到着。任務部隊に配属され、対空火器の増設もなされていました。

第二次世界大戦中の活動

1945年、USS Randolphは太平洋戦線に参加し、東京や硫黄島への攻撃を行いました。特に硫黄島への攻撃では、上陸部隊への支援を含めて多くの作戦を展開しました。しかし、3月11日には日本の特攻機による攻撃を受け、25名の乗員が犠牲になる悲劇も経験しました。以降、沖縄攻略に参加し、様々な航空支援を提供し続けました。

5月になると、最後の局面で日本本土への攻撃を強化し、降伏当日の8月15日には木更津飛行場への攻撃を行いました。戦後、「ランドルフ」は帰国し、マジック・カーペット作戦に従事し、その後予備役として扱われました。

改装と再就役

1948年に予備役に編入された後、「ランドルフ」はSCB-27A改装を受け、1952年にはCVA-15と艦種を変更して再就役しました。改装後は地中海での活動を開始し、演習や様々な任務に参加しました。1956年には改装を再度行い、アングルド・デッキを持つ近代的な航空母艦へと生まれ変わりました。

宇宙飛行の回収業務

「ランドルフ」は1961年7月に、宇宙飛行士ガス・グリソムの回収に成功する一方、1962年2月にはジョン・グレンの回収任務も行いました。これらの功績により、USS Randolphは宇宙開発の歴史の中でも重要な位置を占める艦となりました。

キューバ危機とその後

1962年のキューバ危機では、カリブ海においても重要な任務に従事し、ソ連潜水艦の発見や警告を行う活動をしました。その後も様々な任務を続け、1968年にはモスボール処理された後、1975年には退役しました。

「ランドルフ」はその長い歴史の中で、三つの従軍星章を受章するなど、多くの功績を残しました。その活動は戦争の歴史や宇宙開発の進展に寄与し、彼女の名前はアメリカ海軍の歴史の一部として永遠に刻まれることでしょう。

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