ランプロアイト

ランプロアイトとは

ランプロアイトは、超塩基性岩に分類される半深成岩です。地球上の様々な地域に分布していますが、その産出量は比較的少ないのが特徴です。火山活動の様式や、特異な鉱物組成、そして経済的な価値において、他の岩石とは異なる特徴を持っています。

火山活動

ランプロアイトの火山活動は、ダイアトリームスタイルとスコリア丘スタイルの2種類が知られています。ダイアトリームスタイルでは、地下深くからマグマが急激に上昇し、地表で爆発的な噴火を起こします。一方、スコリア丘スタイルでは、比較的穏やかな噴火で、スコリアと呼ばれる火山砕屑物が積み重なって丘を形成します。

生成過程

ランプロアイトは、地下150kmを超える深さのマントルで部分的に溶けた物質から生成されます。この溶融物が火道を通って地表に押し出される過程で、マントル由来の捕獲岩やダイヤモンドを取り込みます。特に、ダイヤモンドは、ハルツバージャイトのかんらん岩やエクロジャイトといった、マントル深部の岩石が安定する領域で形成されます。

近年、[南極]]のガウスバーグで発見されたランプロアイトや、鉛同位体の分析から、ランプロアイトの起源が、リソスフェア][[マントルの最下部に閉じ込められた、沈み込んだリソスフェアの遷移帯が溶けたものである可能性が示唆されています。

鉱物組成

ランプロアイトは、シリカが欠乏した珍しい鉱物種や、マントルに由来する希少な鉱物を多く含んでいるのが特徴です。カリウムを多く含み、酸化カリウムの含有率は6〜8％にも達します。このような特徴的な鉱物組成は、ランプロアイトが特殊な条件下で生成されたことを示しています。

経済的価値

ランプロアイトは、ダイヤモンドの供給源として重要な経済的価値を持っています。特に、西オーストラリアのアーガイル鉱山は、ランプロアイト中に含まれるダイヤモンドを採掘する世界で唯一の鉱山です。アーガイル鉱山で産出されるダイヤモンドは、ほとんどがEタイプのエクロジャイト起源で、約1400℃の高温下で生成されたものです。また、ピンクダイヤモンドの主要な産地としても知られています。

ランプロアイトは、火砕岩や岩脈として、ダイヤモンドを内包することがあります。ダイヤモンドは、ランプロアイトの貫入によって地表近くまで運ばれた異種結晶として存在します。アーガイル鉱山での調査から、ランプロアイト中のダイヤモンドは、他の鉱床のものと比較して、含有量が多いものの、品質が低いという特徴があることがわかっています。

その他の情報

ランプロアイトは、キンバーライトと同様に、ダイヤモンドを含む可能性のある岩石として注目されています。しかし、キンバーライトとは異なり、ランプロアイトはより幅広い地質環境で見つかるため、その研究は地質学の分野においても重要です。

ランプロアイトの研究は、地球深部の構造や、マントルの物質循環、そしてダイヤモンドの生成過程を理解する上で、非常に重要な役割を果たしています。

関連項目

* キンバーライト

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