超塩基性岩

超塩基性岩とは

超塩基性岩（英: ultrabasic rock）とは、岩石を構成する主要成分である二[[酸化ケイ素]]（SiO2）の含有量（重量%）が45%以下のものを指します。ここでいう「塩基性」という言葉は、化学における酸塩基の概念とは異なり、岩石学における分類上の用語です。

超塩基性岩は、その組成から苦鉄質鉱物（マフィック鉱物）と珪長質鉱物（フェルシック鉱物）の量比によって分類される超苦鉄質岩（超マフィック岩）と、ほぼ同じ意味で用いられることがあります。しかし、両者の定義は厳密には異なります。

例えば、輝石岩は超苦鉄質岩に分類されますが、SiO2含有量が45%を超える場合もあります。このように、超塩基性岩はSiO2の含有量によって定義されるのに対し、超苦鉄質岩は鉱物組成によって定義されるという違いがあります。

主な超塩基性岩

具体的な超塩基性岩としては、以下のような種類が挙げられます。

かんらん岩：主にかんらん石から構成される岩石。
蛇紋岩：かんらん岩などが変質してできた岩石。
キンバーライト：ダイヤモンドを内包することで知られる岩石。

超塩基性岩と関連する用語

岩石の分類

火成岩：マグマが冷えて固まってできた岩石。
塩基性岩：SiO2含有量が比較的少ない（45～52%程度）岩石。
中性岩：SiO2含有量が中程度の（52～63%程度）岩石。
酸性岩：SiO2含有量が多い（63%以上）岩石。
超苦鉄質岩：苦鉄質鉱物が多く含まれる岩石。
苦鉄質岩：苦鉄質鉱物を比較的多く含む岩石。
中間質岩：苦鉄質鉱物と珪長質鉱物を中間的に含む岩石。
珪長質岩：珪長質鉱物を多く含む岩石。

その他

酸と塩基：化学における物質の性質を示す概念。
酸塩基：酸と塩基の相互作用に関する概念。

参考文献

都城秋穂、久城育夫『岩石学II - 岩石の性質と分類』共立出版〈共立全書〉、1975年、6-8,86-90頁。ISBN 4-320-00205-9。
黒田吉益、諏訪兼位『偏光顕微鏡と岩石鉱物 第2版』共立出版、1983年、230-232,257-263頁。ISBN 4-320-04578-5。
山崎貞治『はじめて出会う岩石学 : 火成岩岩石学への招待』共立出版、1990年、85頁。ISBN 4-320-04623-4。

外部リンク

石の博物館 岩石の分類（広島大学） - ウェイバックマシン（2014年12月31日アーカイブ分）
藤田崇、深成岩の特性とその見方 実務者のための岩石肉眼鑑定法（斜面防災対策技術協会） - ウェイバックマシン（2014年4月26日アーカイブ分）

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