ラ・グロワール

グロワール（Gloire）：西洋初の装甲艦

フランス海軍の歴史において、グロワールは特異な存在であり、外洋航行可能な装甲艦として初めてのものと言われています。この艦は、1858年に起工され、1859年11月24日に進水し、1860年8月には遂に就役を果たしました。未だにその設計の革新性には目を見張るものがあります。

設計と特徴

グロワールの設計は、造船技師のアンリ・デュピュイ・ド・ロームによって行われました。艦体は木造に基本を置き、3本のマストを有する帆機走木造フリゲート形態を持ちながら、装甲面では斬新さが際立っています。艦の舷側は、ほぼ全面的に厚さ119 mmの錬鉄で覆われており、特に火器を守る部分は110 mmの厚さでした。この厚さが、艦の防御力を著しく高めていたのです。

装備されていたペクサン砲やライフル砲は、その威力を発揮し、非装甲の木造船に対して非常に効果的でした。このことは、従来の戦艦の設計が陳腐化したことを意味し、他国の海軍に競争を促したのです。

海軍競争の引き金

グロワールの就役は、当時の海軍力に大きな影響を与えました。特に、イギリス海軍もこれに対抗するため、装甲艦 HMS ウォーリアを建造せざるを得なくなりました。グロワールの登場は、19世紀の海軍の戦術と戦略に大きな変化をもたらしました。この新たな装甲艦の登場によって、各国海軍間での軍備競争が加速したのです。

運命と除籍

残念ながら、グロワールはその船体の木造部分が鉄板に比べて速やかに劣化することが確認されました。そのため、艦は1879年に除籍され、最終的には1883年に解体されました。グロワールの歴史は短命でしたが、その影響は計り知れないものがあります。

同型艦

グロワールと同型の艦は、アンヴァンシブルとノルマンディーの2隻です。アンヴァンシブルは1858年にトゥーロンで起工され、1861年に進水した後、1871年に解体されました。また、ノルマンディーは1860年にシェルブールで進水し、1862年に就役しましたが、こちらも1972年に解体されました。このように、グロワールを含む同型艦は、短い生涯ながらも重要な役割を果たしたのです。

参考文献

• - Steam, Steel and Shellfire. The steam warship 1815-1905 Conway's History of the ship ISBN 0785814132

関連項目

• - 装甲艦
• - フランス海軍艦艇一覧
• - 戦艦一覧

グロワールの登場は、海軍において新たな時代の幕開けを告げるものでした。その影響は、現在においても重要な意義を持っています。

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