リッチ・ブリーン

リッチ・ブリーンは、アメリカを拠点に活動する著名なレコーディング・エンジニアです。彼の音楽キャリアは、ロチェスター大学で電気工学の学位を取得後、イーストマン音楽学校で音楽を学ぶという、工学と音楽の両分野における深い知識と理解に基づいています。

1981年から1989年まで、シカゴのユニバーサルレコーディングスタジオズでテクニカル・マネージャーを務め、この期間にニューイングランドデジタル社のシンクラヴィアや、初期のデジタル・マルチトラック・レコーダーなど、当時最先端の機材を用いたレコーディングに携わりました。これらの経験は、彼のエンジニアとしての技術と知識を大きく向上させることとなりました。

その後、ブリーンはフリーランスのエンジニアとして独立し、ジャズやフュージョンを中心に幅広いジャンルの音楽制作に携わっています。イエロージャケッツのような著名アーティストの作品を手掛ける一方で、IMAX作品の映画音楽にもその才能を発揮しています。

ジャズ・レーベル「クリプトグラモフォン」の設立者であり、ヴァイオリニストのジェフ・ゴーティエは、自身のレーベル作品の多くをブリーンに依頼しており、彼のことをECMレコードのヤン・エリック・コングスハウクと比較し、これまで仕事をした中で最高のレコーディング・エンジニアと評しています。これは、ブリーンの技術力と音楽に対する深い理解がいかに高く評価されているかを物語っています。

日本のアーティストとの関わりも深く、X JAPANの作品をはじめ、hideやYOSHIKIのソロ・プロジェクトにも数多く参加しています。hideのアルバム『HIDE YOUR FACE』には、ブリーンがスタジオで遊びで弾いていたエレクトリックピアノの音を録音した「CRIME OF BREEN St.」という曲が収録されており、彼の音楽的な一面も垣間見ることができます。

ブリーンがレコーディングを手掛けた作品の中には、グラミー賞を受賞またはノミネートされたものが多数あります。特に、2000年にはオレゴンの『Oregon In Moscow』、2011年にはセス・マクファーレンの『Music Is Better Than Words』でグラミー賞最優秀アルバム技術賞（クラシック以外）にノミネートされており、彼のエンジニアとしての卓越した技術が広く認められています。

ブリーンの参加作品は多岐にわたり、アラン・パスクァ、アル・ジャロウ、アレックス・クライン、アンソニー・ウィルソン、イヴァン・リンス、イエロージャケッツ、ヴィンス・メンドーザ、X JAPAN、エリック・フリードランダー、エレーナ・エケモフ、オール・アメリカン・リジェクツ、オレゴン、カート・エリング、カウント・ベイシー・オーケストラ、GUACO、クリス・ミン・ドーキー、GLAY、ケイト・ダントン、ゲルノット・ウォルフガング、ジェニー・シェインマン、ジェフ・ゴーティエ、ジェフ・バーリン、ジェラルド・ウィルソン、JING CHI、スティーヴ・ガッド・バンド、セス・マクファーレン、ダイアン・リーヴス、チャーリー・ヘイデン、デイヴ・ストライカー、ティム・ヘイガンズ、ティム・リース、デヴィッド・ウィザム、デワ・ブジャナ、ドン・プレストン、ネルス・クライン、ピーター・アースキン、hide、ビリー・チャイルズ、フレッド・サイモン、ベニー・モウピン、ベン・ゴールドバーグ、ボビー・シュー、ボブ・フローレンス、ボブ・ミンツァー、マーク・ドレッサー、マイケル・マンリング、マノウォー、YOSHIKI、ライル・メイズ、ラウル・ミドン、ラムゼイ・ルイス、レネゲイド・クリエイション、ロジャー・テイラーなど、数多くの著名アーティストの作品に貢献しています。

リッチ・ブリーンの公式サイトやDiscogsのページでは、彼の詳細な経歴や参加作品をさらに深く知ることができます。

リッチ・ブリーンは、その卓越した技術と音楽への深い愛情を通じて、数多くの素晴らしい音楽作品を世に送り出し、音楽業界に多大な貢献をしているレコーディング・エンジニアです。

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