リリカ (雑誌)

LYRICA 〜リリカ〜

『LYRICA 〜リリカ〜』は、かつてサンリオから発行されていた少女向けの漫画雑誌です。1976年9月に月刊誌として創刊され、1979年3月に廃刊となりました。

概要

『LYRICA』は、日本の漫画雑誌としては初めて、左綴じ横書き、全ページオールカラーという斬新なスタイルで登場しました。これは、海外での英語版出版を視野に入れていたためとされています。また、創刊者の辻信太郎は、左から右への横組み活字の雑誌は左綴じが自然であると述べています。しかし、当時の読者には右綴じの漫画雑誌が一般的であったため、左綴じは読みにくく、売り上げは伸び悩みました。

創刊号には、手塚治虫、水野英子、ちばてつや、山岸凉子、永島慎二、おおやちきなど、当時人気・実力ともにトップクラスの漫画家が多数参加しました。その後も、石ノ森章太郎、竹宮惠子、萩尾望都といった著名な作家が執筆陣に加わっています。

誌面は漫画だけでなく、サンリオ商品の懸賞、インテリアやファッションのコーディネート、料理など、ティーンエイジャー向けの情報をカラーイラストで特集していました。

しかし、月刊誌でオールカラーという企画は、人気漫画家にとって大きな負担となり、次第にイラストに詩や物語を添えた作品や、三色刷り・二色刷りのページが増えていきました。その結果、創刊当初の美しさは失われ、紙質も低下し、雑誌の人気は徐々に衰え、最終的には休刊（事実上の廃刊）に至りました。

定期刊行の他に、『石森章太郎メルヘン寓画』『ユニコ特集号』などの増刊号も刊行されています。

主な掲載作品

以下に、掲載された主な作品を作者の五十音順に列挙します。

ちいさな愛をクレヨン（愛まひろ）
手塚プロ騒動記（石坂啓）
魔法世界のジュン（石ノ森章太郎）
舞踏会の夜、マギー・メイの家賃とりたて（和泉洋子）
ペンキンさん（市川みさこ）
地中海幻想（伊東愛子）
ラブ・チャンスは７日間（伊藤恵子）
てんまり子だぬき（いまいかおる）
透視学入門（宇野亜喜良）
キャンバス８（内田美奈子）
若草物語（内田善美）
おれは片目のドン（大島やすいち）
どんじゃらほい!すずらんモーニング!!（大島弓子）
緋色の花衣（大谷てるみ）
幸福なフランチェスカ（大原まどか）
おかしな国のアリス（おおやちき）
草花哀歌（大山和栄）
窓（風野朱美）
ところでネェ春樹くん（風間宏子）
さよならひとりぼっち（粕谷紀子）
竜座の暗黒星（神奈幸子）
ヘレンちゃんぶるーす（かれくさとんこ）
あなたのラビットテール（岸本理生）
クリスマスの夜に・・・（北島洋子）
こぞと桃太郎とおひめさま（木原敏江）
ローズバットロージー（樹村みのり）
レントイゼルの夜の夢（倉多江美）
忍者学園くの一組（後藤ゆきお）
とんでもピッピッピ（小橋とも子）
タイム・ジャンプ（小森麻実）
星の動く音（坂口尚）
たとえば、バオバブの木（坂田靖子）
海よ（ささやななえこ）
窓を開ければ・・・（汐見朝子）
HELLO KITTY（清水侑子）
かいねこお玉ヶ池（ジャンボ・KAME）
あしたには（庄司陽子）
朝の光を小ビンにつめて（しらいしあい）
５色の虹に愛こめて（白沢冬香）
ラッパ森の物語（曽根富美子）
フラワーヘアー（高橋真琴）
こんにちはたんぽぽさん（高橋亮子）
パリ・ジェンヌヴィエーヴ通り・人形館（竹宮惠子）
パコペー（たちいりハルコ）
樹梨絵（立木じゅん）
繭の箱舟（立原あゆみ）
水中天国（竜樹諒）
ファンタジックナイト（たらさわみち）
レコとマー坊（ちばてつや）
ユニコ（手塚治虫）
ひとは自分の欠点を愛す（永島慎二）
大理石の花嫁（名香智子）
さびしい森のかいぶつさん（中山星香）
あじさい色の雨の日に（流悦子）
手塚プロ騒動記（七瀬カイ）
わたしのトムピリビ（奈村祐子）
なっちゃんのトランプ（奈知未佐子）
春の色にそめかえて（南部あけみ）
アラン模様の菜園で（南部ひろみ）
瑠璃の海（のがみけい）
桜の木の下（萩尾望都）
レディ（はらだ蘭）
ヒット・ヒット・ヒット（ひとみとしお）
手塚プロ騒動記（ひゃくた保孝）
少女の夢は、赤い靴とジプシー（平田真貴子）
秘密の花園（藤城清治）
ぼくと遊ぼうよ（文月今日子）
ホクロ天使（牧野和子）
ペガサスの翼（まつざきあけみ）
銀色の獅子たち（松苗あけみ）
おねいちゃまとわたし（久掛彦見）
伝説（水野英子）
子供天国（水口令子）
妖精フローレンス（ベッキー・ミルズ）
雨のしずくのペンダント（森永真理）
ザ・スワン（ドン・モーガン）
ロンド・メタモフォーズ（矢代まさこ）
2ページの旅（やなせたかし）
初恋絵草紙（山内左智子）
落窪物語（山岸凉子）
ないしょばなし（湯村たい子）
手塚プロ騒動記（わたべじゅん）

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