リンカーン記念堂

リンカーン記念堂について

リンカーン記念堂は、アメリカ合衆国の首都ワシントンD.C.にある、エイブラハム・リンカーン大統領を記念して建てられた壮大な建造物です。ナショナル・モールの西端に位置し、その堂々とした姿は多くの人々を魅了しています。ギリシャのドーリア様式で建てられたこの記念堂は、単なる観光名所ではなく、アメリカの歴史と民主主義の象徴として重要な意味を持っています。

デザインと構造

記念堂のデザインは、建築家ヘンリー・ベーコンによって考案されました。彼はアメリカン・ボザール様式を代表する人物で、その功績から米国建築家協会金メダル賞を受賞しています。記念堂は、ギリシャ神殿を思わせる厳格なドーリア様式で、周囲を36本の巨大な柱が取り囲んでいます。これらの柱は、リンカーン大統領が亡くなった当時のアメリカ合衆国の州の数を表しています。建物の内部には、リンカーンの坐像が安置されており、その周りの壁には、ゲティスバーグ演説と第二期大統領就任演説が刻まれています。

リンカーン像と内部の装飾

記念堂の中心に位置するリンカーン像は、彫刻家ダニエル・チェスター・フレンチによって制作されました。この像は、リンカーンの憂いを帯びた表情と、遠くを見つめる視線が特徴的です。また、リンカーン像の左右の壁には、歴史的な演説が刻まれているだけでなく、アメリカ人壁画家ジュール・ゲランによって描かれた一連の壁画が飾られています。

歴史的な出来事の舞台

リンカーン記念堂は、数々の歴史的な出来事の舞台となってきました。1939年には、歌手のマリアン・アンダーソンが人種差別によりコンサート会場を拒否された際、記念堂の階段でコンサートを行い、大きな感動を呼びました。また、1963年には、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアがワシントン大行進で「I Have a Dream」の演説を行い、公民権運動の象徴的な場所となりました。

貨幣と紙幣のデザイン

リンカーン記念堂は、アメリカの貨幣や紙幣にもデザインされています。1959年から2008年まで、1セント硬貨の裏面に描かれていました。また、5ドル紙幣の裏面にも、リンカーン大統領の肖像画と共に印刷されています。

ワシントンD.C.にある他のリンカーン記念碑

ワシントンD.C.には、リンカーン記念堂以外にも、リンカーン大統領を記念する建造物がいくつか存在します。Dストリートには、リンカーン大統領の最初の像があり、議会議事堂のロタンダには、若い彫刻家ビニー・リームによって制作されたリンカーン像があります。また、議会議事堂のリンカーン公園には、奴隷解放を象徴する「解放記念碑」が建てられています。

その他のリンカーン記念碑

アメリカ以外にも、イギリスのロンドンにある国会議事堂広場には、リンカーン大統領の記念像が建てられています。これは、アメリカの彫刻家オーガスタス・セント・ガーデンズによって制作された像のレプリカです。

まとめ

リンカーン記念堂は、アメリカの歴史と文化を象徴する重要な建造物です。その壮大な建築美、歴史的な背景、そして数々の出来事の舞台となったことから、多くの人々を魅了し続けています。ワシントンD.C.を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

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