ルイ・ドゥ・ソワソン

ルイ・デサヴォワ・カリニャン・ドゥ・ソワソン(1890-1962)は、フランス系カナダ人の建築家で、都市計画家として名を馳せました。モントリオールに生まれ、フランスの伯爵家の血筋を引く由緒ある家系に育ちました。幼少期には家族と共にロンドンに移住し、その後パリで建築教育を受けました。1913年には王立英国建築家協会の奨学金を獲得し、イタリアを始めとするヨーロッパ各国を視察する機会を得ています。

彼の建築様式は、18世紀の建築様式からの影響が色濃く、深いヒューマニズムを感じさせるものでした。イタリアの建築様式を深く研究し、古典的な建築家としての高い評価を得ていました。若き日のこうした経験が、後の彼の都市計画に大きな影響を与えたことは間違いありません。

第一次世界大戦ではイギリス軍に参加し、イタリア戦線で活躍しました。その功績はイギリスとイタリア両国から称えられ、戦後にはグレーブス委員(コモンウェルス戦争墓地委員会)として、フィレンツェ戦争墓地の設計にも携わっています。

1920年には、ウェリン・ガーデン・シティのマスタープラン作成を委託され、同市の開発に40年以上にわたり携わりました。ウェリン・ガーデン・シティの設立に携わったことは、彼のキャリアの中でも特に重要な仕事となりました。基本計画から開発の全段階に関与し、都市の成長に多大な貢献を果たしました。

ウェリン・ガーデン・シティの仕事と並行して、カナダの企業の工場設計なども手掛けました。また、コーンウォール公(後のエドワード8世)の時代には、コーンウォールの歴代皇太子領地の管理建築家も務めています。

1923年には王立英国建築家協会(RIBA)のフェロー会員に推挙され、都市計画協会(後の王立都市計画協会)会員にも名を連ねました。その才能は建築のみに留まらず、都市計画の分野でも高く評価されたことを示しています。

彼の設計した建築物は多岐に渡ります。オーバルのクリケットグラウンド、バッキンガム宮殿とトラファルガー広場を結ぶ街路、ジョージ6世記念像周辺など、ロンドンのランドマーク的な場所の設計にも携わりました。第二次世界大戦後はプリマスやエクセターなどで多くの建築プロジェクトに従事しました。

戦後には、ウェルカム・トラストのウェルカム財団、リージェンツ・パーク、産婦人科医ロイヤルカレッジ、カールトンテラスの国際羊毛産業協会事務局など、数々の重要な建物の設計・建設に携わりました。さらに、メリルボーンクリケットクラブ所有のジョン・ナッシュ設計のテラスの修復にも貢献しています。イートンカレッジやケンブリッジ大学といった学術機関の委託業務にも従事するなど、その活動は多方面に広がっています。

1953年には、1945年の英国国土復興都市計画への貢献により、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツの会員に選出されました。1956年にはCVO(ロイヤル・ヴィクトリア勲章)を受賞するなど、数々の栄誉に輝いています。

彼の功績を称え、1970年にはウェリン・ガーデン・シティ創立50周年を記念して、シビックセンターに面したパークウェイの一部が「ルイ・ドゥ・ソワソン記念公園」として開園しました。ルイ・デサヴォワ・カリニャン・ドゥ・ソワソンは、建築家、都市計画家としてだけでなく、歴史に名を残す偉大な人物でした。彼の残した作品は、現代にも多くの影響を与え続けています。

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