ルキウス・アウレリウス・オレステス (紀元前126年の執政官)

ルキウス・アウレリウス・オレステス：共和政ローマの政治家、軍人、そして弁論家

ルキウス・アウレリウス・オレステスは、共和政ローマのプレブス（平民）出身の政治家、軍人です。紀元前126年には執政官（コンスル）に選出され、サルディニアでの反乱鎮圧という重要な任務を遂行しました。

家柄と出自

アウレリウス氏族は、ローマにおいて比較的遅れて台頭した家柄であり、紀元前3世紀半ばになってようやく重要な公職に就く者が出始めました。氏族から最初の執政官が出たのは、紀元前252年のガイウス・アウレリウス・コッタです。紀元前2世紀には、アウレリウス氏族はすでに十分な財力と影響力を持っていましたが、ノビレス（新貴族）と見なされていました。

凱旋式のファスティによれば、ルキウス・アウレリウス・オレステスの父も祖父もプラエノーメン（第一名、個人名）はルキウスでした。このことから、彼は紀元前157年の執政官ルキウス・アウレリウス・オレステスの息子であると考えられています。

政歴

オレステスの初期の経歴については、詳しいことは分かっていません。しかし、ウィッリウス法の規定と執政官就任時期から逆算すると、遅くとも紀元前129年には法務官（プラエトル）に就任していたと考えられます。

紀元前126年、オレステスは執政官に就任しました。同僚はパトリキ（貴族）出身のマルクス・アエミリウス・レピドゥスでした。当時のサルディニアでは反乱が発生しており、鎮圧のためオレステスが派遣されました。この遠征には、財務官（クァエストル）を務めていた若きガイウス・グラックス（グラックス弟）と、マルクス・アエミリウス・スカウルスが参加していました。

ローマ軍は冬季の衣服が不足しており、冬季に困難に陥る可能性がありました。サルディニアの都市はローマ軍への衣服提供を拒否しましたが、元老院の承認を得てのことでした。この時、グラックスはサルディニア中を奔走し、支援を求めて軍の窮地を救いました。ヌミディア王ミキプサも、グラックスに敬意を払い、ローマ軍に穀物を提供しました。グラックスの人気が高まるにつれ、元老院は彼を警戒し、サルディニア遠征軍の交代を決定しました。しかし、オレステスは前執政官（プロコンスル）としてその後も数年間サルディニアに留まりましたが、グラックスはローマへ帰還しました。

紀元前122年、オレステスはついにローマに戻り、凱旋式を挙行しました。その後のオレステスに関する記録は残っていません。

弁論家として

キケロは、オレステスが弁論家として尊敬されていたと記しています。しかし、スキピオ・アエミリアヌスとガイウス・ラエリウス・サピエンスの時代には、彼の名前は「著名でない弁論家」のリストに挙げられる程度でした。彼の演説の原文は、キケロが『ブルトゥス』を著述した紀元前46年まで保存されていました。

子孫とフィクション

同名の息子ルキウス・アウレリウス・オレステスは、紀元前103年に執政官を務めています。また、オレステスはミリィ・イェジエルスキーの小説『グラックス兄弟』の主要な登場人物の一人として描かれています。

まとめ

ルキウス・アウレリウス・オレステスは、共和政ローマにおいて、軍事と政治の両面で活躍した人物でした。サルディニアでの反乱鎮圧という功績に加え、弁論家としても一定の評価を得ていたことが伺えます。彼の生涯は、共和政ローマの政治・社会情勢を理解する上で貴重な手がかりとなります。

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