ルバング島

ルバング島：南シナ海に浮かぶ秘境と歴史の島

ルバング島は、フィリピン中部のミンドロ島北西沖、南シナ海に浮かぶ島です。ミンドロ島とはカラヴィテ水路で隔てられており、マニラ市からは南西へ約150kmと比較的近い場所に位置します。東西約30km、南北約10kmの細長い島で、周辺のアンビル島、ゴロ島、カブラ島などと共にルバング諸島を形成しています。

自然と暮らし

ルバング島は、ミマロパ地方の西ミンドロ州に属し、ルバング町とロオク町の2つの自治体で構成されています。島民の生活は、周辺海域での漁業に大きく依存していますが、白い砂浜が続く美しい海岸線は、観光開発の可能性を秘めています。

小野田寛郎元少尉

ルバング島は、第二次世界大戦後も日本の降伏を信じず、約29年間もゲリラ戦を続けた小野田寛郎元少尉が潜伏していた島として、その名を知られています。1944年12月、小野田元少尉は「残置諜者」及び「遊撃指揮」の任を受け、部下と共にルバング島に着任。連合軍によるフィリピン制圧後も、ジャングルに潜伏しゲリラ活動を続けました。

1972年、部下の射殺事件をきっかけに小野田元少尉の存在が再び注目を集め、1974年、日本の青年・鈴木紀夫の説得に応じ、元上官からの任務解除命令を受諾。ついにフィリピン軍に投降しました。この時、日本の降伏から既に29年もの歳月が経過していました。

現在のルバング島

現在、小野田元少尉が潜伏していた洞窟や密林は、観光コースとして整備され、当時の様子を伝える観光ガイドも養成されています。ルバング島は、その美しい自然と、歴史の記憶が息づく場所として、訪れる人々を魅了し続けています。

関連人物

菅野直：戦闘機紫電改搭乗員。ルバング島に不時着した。
鈴木紀夫：小野田寛郎元少尉を説得し、帰国を促した日本の青年。

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