ル・ボレロ・ルージュ

『ル・ボレロ・ルージュ』

『ル・ボレロ・ルージュ』は、宝塚歌劇団の月組による舞台作品であり、形式名は「レビュー・ファンタシーク」として知られています。この作品は1998年9月18日から10月26日まで宝塚大劇場で、さらに1999年1月2日から2月7日までTAKARAZUKA1000days劇場で上演されました。全24場から成り、作・演出は三木章雄氏が手掛けました。併演作品として『黒い瞳』も紹介され、観客に強い印象を与えました。

本作は、代表的なラテンリズム「ボレロ」に影響を受け、様々な民族のエネルギーを表現しています。情熱的でありながらも野生的な美しさを持つこの舞台では、心に響くリズムと共に、観る者の魂に火を灯すような力強い演出が特徴です。特に「情熱の曲」と称されるオリジナル曲は、ラテンバンド「ディアマンテス」のアルベルト城間が作曲し、真琴つばさが作詞を手掛けました。この楽曲は物語の核心部分を作り上げ、観客に忘れられない印象を与えました。

舞台の演出とプレゼンテーションにおいて、スタッフ陣の才能が光ります。作曲や編曲は高橋城、吉田優子、鞍富真一が担当し、全体の音楽を支えています。また、音楽指揮は佐々田愛一郎が行い、ダンス振付は羽山紀代美、尚すみれ、名倉加代子、若央りさが受け持ちました。こうした多様なスタッフが集結し、観客を魅了する舞台が繰り広げられました。

本作の視覚的な魅力は、大橋泰弘による斬新な装置デザイン、任田幾英による美しい衣装、勝柴次朗による照明で際立ちます。音響は加門清邦が担当し、舞台全体の雰囲気を一層引き立てました。サポート役として、伊集院撤也や切江勝などが携わり、各パートの重要な役割を果たしました。

主要なキャストには真琴つばさ、風花舞、紫吹淳、初風緑、樹里咲穂、成瀬こうきなどが名を連ねており、彼らの演技は物語をより深く彩るものでした。それぞれの役割を通じて、観客は多様なキャラクターの感情を体験し、物語に引き込まれていきます。特に真琴つばさが演じたボレロの男や、風花舞が演じたボレロの女は、印象的なパフォーマンスで観衆を魅了しました。

『ル・ボレロ・ルージュ』は、確立されたラテンショーの魅力に新たな息吹を吹き込み、情熱的なライティングやダンス、音楽が融合した特別な舞台となりました。風花舞のサヨナラ公演としても注目されたこの作品は、宝塚歌劇団の歴史の中でも重要な位置を占めるものとして記憶されることでしょう。それにより、この劇は一世代を超えてファンに愛され、語り継がれることになると期待されます。

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