ルーベン・ジェームズ (駆逐艦)

ルーベン・ジェームズ (USS Reuben James, DD-245)

ルーベン・ジェームズは、アメリカ海軍の駆逐艦であり、クレムソン級の1隻です。この艦は、第一次バーバリ戦争で勇敢に戦ったルーベン・ジェームズ掌帆長の名にちなんで名付けられました。また、ルーベン・ジェームズは第二次世界大戦において、最初に沈没したアメリカ海軍の艦艇としても知られています。

艦の歴史

ルーベン・ジェームズは、1919年4月2日にニュージャージー州のカムデンにあるニューヨーク造船所で起工されました。そして、1919年10月4日に進水し、1920年9月24日に艦長ゴードン・W・ハインズ中佐の指揮のもと正式に就役を果たしました。

艦は、就役後すぐに大西洋艦隊に配属されました。1921年から1922年にかけて地中海での任務に従事し、その後、ニューヨークを拠点にしながら、1926年にはニカラグア沖合での偵察任務にも従事しました。この任務では、革命勢力への武器供給を阻止するという大きな目的がありました。1931年1月20日に退役し、その後1932年3月9日に再就役しました。再就役後は、主に大西洋とカリブ海での活動に専念し、特に1930年代のキューバの政治的混乱において、同海域の偵察任務を担当しました。

1934年にはカリフォルニア州サンディエゴに配属され、空母部隊の演習にも参加。その後、1939年1月に大西洋艦隊へ復帰しました。1939年9月の第二次世界大戦の開戦後、ルーベン・ジェームズは中立パトロールに従事し、カリブ海および大西洋での船団護衛活動に注力しました。1941年3月には、イギリス向け物資の護衛を目的とした船団護衛部隊に加わり、アイスランドまでの船団護衛を行いました。

最期の運命

1941年10月23日、ルーベン・ジェームズはアイスランドのクヴァールフィヨルズルを拠点に、ニューファンドランドのアージェンティア海軍基地からHX156船団を護衛するため出港しました。しかし、10月31日の早朝5時25分にドイツの潜水艦U-552からの攻撃を受け、艦前方に命中した魚雷が弾薬庫を誘爆させ、艦首を吹き飛ばしました。その結果、艦は速やかに沈んでいきました。この悲劇により、艦長エドワーズ少佐をはじめとする115名の乗員が命を落とし、44名が辛うじて救出されました。

ルーベン・ジェームズの沈没は、アメリカのフォークシンガーウディ・ガスリーによって「The Sinking of the Reuben James」という歌曲として表現され、ピート・シーガーなどのアーティストによっても歌われました。

名称の承継と記憶

ルーベン・ジェームズの名前は、その後のバックレイ級護衛駆逐艦DE-153や、オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲートFFG-57に受け継がれました。また、戦闘で命を落としたエドワーズ艦長の名はフレッチャー級駆逐艦DD-663に付けられ、彼の功績を今に伝えています。

ルーベン・ジェームズの物語は、アメリカ海軍の歴史における重要な一ページであり、その沈没は多くの人々に深い影響を与えました。

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