レイシガイ属

レイシガイ属（Reishia）について

レイシガイ属は、アッキガイ科に属する巻貝のグループで、潮間帯の岩場によく見られます。この属には、イボニシやレイシガイなど、親しみやすい種が含まれています。

特徴

貝殻: 殻の高さは5cm以下で、紡錘形をしています。表面には凹凸や突起があり、個体差が見られます。生息時には、藻類に覆われていることもあります。
蓋: 角質の外核型の蓋を持ちます。
歯舌: 尖舌型です。

生態

レイシガイ属の貝は、潮間帯の岩礁に生息し、フジツボや他の貝を捕食します。産卵は夏季に行われ、管状の卵嚢を岩の上に多数産みつけます。

分布

西太平洋沿岸、特に日本から東南アジアにかけて広く分布しています。

分類

レイシガイ属はチリメンボラ亜科に分類されます。近縁の亜科との系統関係も研究されています。

属内の種

レイシガイ属には、以下の種が含まれています。

Reishia bitubecularis: オーストラリア北部から東南アジアに分布し、黒と白の縦縞模様があります。
Reishia bronni (レイシガイ): 日本から東南アジアの潮間帯下に生息。白いコブが特徴で、クリフレイシと同種である可能性が示唆されています。
Reishia clavigera (イボニシのC型): イボニシの一種とされています。
Reishia jubilaea: クリフレイシと同種。
Reishia keluo: 台湾に生息し、レイシガイに似た外観を持ちます。
Reishia luteostoma (クリフレイシ): 黒い突起と橙色の殻口内が特徴です。
†Reishia nakamurai (ナカムラレイシ): 前期更新世の化石種です。
* Reishia problematica (イボニシのP型): イボニシの一種です。

化石

ナカムラレイシの化石は、前期更新世の地層から発見されています。また、イボニシの化石も確認されています。

人との関係

レイシガイ属の貝は、古くから人々に知られており、江戸時代の文献にも記述があります。また、有機スズ化合物による海洋汚染の影響で、メスにペニス状の突起が現れる現象も報告されています。食用になる一方で、養殖牡蠣への食害も懸念されています。


このように、レイシガイ属は、その多様な種と生態、そして人との関わりにおいて、多くの興味深い側面を持つ生物群です。

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